スパイウェアやフィッシング詐欺によるオンライン銀行サービスの被害が相次いでいるのを受け、ネット銀行が不正対策を強化している。
ネット専業のソニー銀行は8月1日から、ログインパスワード入力にソフトウェアキーボードを使えるようにした。
ログイン時は、画面上に表示されたソフトキーボードをマウスでクリックしてパスワードを入力する。新機能はキーロガーなど、キーボードの操作履歴を盗むスパイウェアによる被害を防ぐのがねらいだ。
またソニー銀行は、1日当たりの振り込み限度額を0円から1万〜999万円の範囲で自由に設定できるようにした。上限を必要十分な額に設定しておけば、万が一の場合でも大金が移動するのを防止できる。設定の申し込みと解除は、カスタマーセンターで電話で受け付ける。
みずほ銀行も8月22日から、オンラインバンキングにソフトキーボードを導入する。さらに、「第2暗証番号」の入力順序を利用のつど銀行側が指定するなりすまし対策も導入する。
ジャパンネット銀行は8月1日、預金口座の不正使用保険を導入した。第三者が顧客の口座番号、暗証番号、ログインパスワードを盗用し、顧客になりすまして普通口座から不正振り込みをして、顧客の口座が損害をこうむった場合に保険金が支払われる。保険金の支払いは1口座当たり年間300万円が限度となる。
7月、スパイウェアに感染したオンラインバンキングユーザーの不正送金被害がイーバンク銀行、ジャパンネット銀行、みずほ銀行で相次ぎ(関連記事)、全銀協によると3行で940万円の被害があった。
イーバンク銀行もこれまでに、使用ISPを事前登録する「IP制限サービス」などを導入済み。不正取り引きによる被害が拡大すればネット銀行の根幹を揺るがしかねないだけに、各行とも対策を急いでいる。
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