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太鼓叩きの文化にもオープンソース問題(3/3 ページ)

北米の太鼓奏者とオープンソースソフトウェア開発者は、実は共通の問題に直面し、それに頭を悩ませている同志である。両者に共通する問題とは、特許であり、改良点の共有である。

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芸術的ソフトウェア、役に立つ音楽

 オープンソフトウェア太鼓の提唱者は、ソフトウェアと音楽の類似点・相違点をよく話し合う。どちらも芸術と見なせる一方で、有用なツールとも考えられる。

 オープンソースの理念を適用することと、太鼓音楽にライセンスを与えることの違いは、Kamedaによると「ソフトウェアのようなツールを作ることと、音楽のような芸術作品を作ることの違い」だと言う。

 「重なり合うところはたくさんあります。でも、芸術は、その性格からして主観的であり、個人的なものです。私自身の音楽をオープンソースライセンスのもとでリリースできるか? どうでしょうか。個人的な思い入れの強いものもあるし、ちょっと躊躇します。私自身の表現であり、私自身の声であり、この世で私がありたいと望む姿です。うーん……わたしがもっと啓蒙され、心が安定していれば……感情的に作品から離れられれば……それなら全作品をGPLの下でリリースできるかもしれません。でも、感情的にまだそこまで行けません」

 だが、Bergstrom氏は、ソフトウェアと音楽をそういう風に規定するのは正しいと思わない、と言う。

 「現実に役立つ創作物と芸術的創作物という分け方をする人は多いです。でも、役に立つか芸術的かという分け方はナンセンスです。これでは芸術というものの定義が曖昧すぎますし(ソフトウェアにも、芸術品と呼べるものは少なくありません)、音楽は主観的な性格のものだとしても、そのためにリミックスの可能性が広がるということもあります」

 「自由に手を加えられる音楽なら、多くの人が心の赴くままに変奏曲を作れます。フリーソフトウェアがソフトウェアに目覚しい成功をもたらしたのと同様、フリーミュージックには、音楽に多様性と質的向上をもたらす可能性があると信じます。創造者の声を勝手に改変することを懸念する向きもありますが、それは、オリジナルの改変であることを明記することで乗り越えられるでしょう」

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