特集
限りなくゼロに近いダウンタイムを目指す:ITILを究める! サービスデリバリ編(3/3 ページ)
24時間×365日のシステムを運用していく上で、落ちないシステムを作ることは大きな課題だ。サーバのダウンタイムを可能な限りゼロに近づけるため、可用性管理は欠かせない。
例えば、PC2台/ファイルサーバ1台/プリンタ1台がネットワークで接続されたシステムがあるとする。プリンタとファイルサーバの稼働率はそれぞれ90%であり,パソコンの稼働率は80%である(ただし、PCは1台が動いていればシステムとして稼働しているものとする)。
このシステム全体の可用性を求めるには、以下のような方法となる。
システム全体の稼働率は、0.92×1-(1-0.8)2=0.7776となる。数学の授業のような話となってしまったが、このような計算により、可用性を計ることができる。
大切なのは、可用性は購入できるものではないということを理解することだ。設計、導入、測定、管理を継続的に行っいくことで初めて高めることができるのである。
関連記事
- 必ず起こり得るもの、「災害」「ウイルス」「人的エラー」
どれだけ対策を施しても、予測できない災害は常に発生する危険性を持っている。システム停止は、「必ず起こるもの」として、対応策を計画するには? - 上手なキャパシティ管理
アクセス量やシステムの処理量に対してシステムリソースが不足すれば、システムの安定稼動は見込めない。最適なコストでキャパシティを改善するには、どうすうればよいのだろう? - 過剰なIT投資に陥らないコツ
ITサービスは、そのほかのサービスよりもコスト増大が早い。ビジネスに依存しているからには、それを超えるIT投資はない。管理できているだろうか? - サービスレベルを高める「発想の転換」
SLAという言葉に馴染み深い読者は多いのではないだろうか? これに対してSLMという管理手法がある。ITサービスの品質向上の観点からは、SLMの方がより実用的だ。 - ビジネスとITを結びつける
技術中心のアプローチから運用品質の改善/向上のアプローチへ。ビジネスがどのようなITサービスを要求するか、に焦点を当てた「サービスデリバリ」。6回にわたってそのプロセスを紹介していく。 - ソフト・ハードのリリースに失敗しないために
- そのシステム変更、大丈夫?
- 特集:攻めのシステム運用管理
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.