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とびだす中堅企業の違いを「ベンチャー」に探る「中堅」と「ベンチャー」はどう違う?(1/3 ページ)

「ベンチャー企業」に前途洋々なイメージを持つ人も多いだろう。実際に、松井証券や楽天など、旧来型の大企業と比較して体力で劣っていたベンチャー企業が市場で中心的役割を担う例も現在は多くある。

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 零細企業や中小企業という響きと比べると、中堅企業の方がイメージがいい。また、その企業がいわゆる「ベンチャー」などと今風の呼ばれ方をすると、なぜかマイナスイメージが払拭され、前途洋々とした感じさえする。何がベンチャー企業をほかと区別しているのか。それを考えることで、中堅企業がITを活用して飛躍するためのヒントを探ってみる。

ビジネスモデルやヒト、モノ、カネでは判断できない

 まず指摘されるのは、ビジネスモデルの違いだ。かつての尺度でいえば、第1次産業から第2次産業、そして第3次産業という区分けがあった。農業よりは工業、そしてサービス業の方がさらにいいという見方。工業分野でも、かつて日本の産業を支えた石炭、繊維、製紙などの産業は消滅したか、ビジネスモデルの転換を余儀なくされている。

 しかしこの区分けは単純すぎて、現状にそぐわなくなっている。飲料メーカーを見ても、かつては米国系炭酸飲料が日の出の勢いだったが、今は日本茶が圧倒的な強さを見せている。日本茶なんて、高齢者しか飲まないといわれたこともあったが、それは誤りだった。

 斜陽産業と言われていた鉄鋼、造船も中国の経済発展で息を吹き返した。流通も、一概に業種というくくりだけで捉えることはできない。好調な企業もあれば、瀕死状態の企業もある。単なるビジネスモデルで企業の勢いを判断することは不可能だ。

 企業の3要素という見方もある。企業を支えるのは、「人材」「資源」「資本」だという。しかしこれを単に「ヒト、モノ、カネ」と考えれば、体力に劣る中小零細企業が大企業との競争を勝ち抜くことは想像できない。同様に、ベンチャー企業が出る幕もない。

 企業の3要素だけでは、たとえば、1975年にビル・ゲイツ氏が友人のポール・アレン氏と2人だけでMicrosoftを創業し、それが1980年代から1990年代の米国経済をもけん引してきたというストーリーは説明できない。

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