「MacromediaはApolloでユーザー体験の革新をOS世界にもたらす」とリンチEVP:Interview(2/2 ページ)
アナハイムで開催中の「Macromedia MAX 2005」でMacromediaは、Flashプラットフォームの新たな技術を披露した。同社でチーフソフトウェアアーキテクトを務めるリンチ執行副社長に話を聞いた。
クライアントに関しては、オンラインだけでなく、オフラインでも動作する配布性の優れたアプリケーションが求められてきています。そこでわれわれはCentralの後継として「Apollo」と呼ばれる新しいプロジェクトを発表しました。これによってFlashアプリケーションをWebブラウザの外のローカルマシン上で動かすことができ、オフラインでも使い続けることができるようになります。
ITmedia Apolloには可能性を感じると同時に、これまでOSが担ってきたユーザーインタフェースをMacromediaが担っていくということも意味し、Microsoftは警戒するのではないでしょうか。
リンチ 人々が新しいユーザーインタフェースを開発するという領域には大きな市場機会があります。Webの世界では、毎週のようにユーザーインタフェースの革新が起こっています。一方、OSの世界はどうでしょうか。5年くらいしないと大きな変更はありません。われわれはより速いサイクルで進化しているWebでの革新をFlashによってOSの世界にもたらすことができると考えています。
MicrosoftのビジネスはOSを売ることです。それに対してわれわれはPC向けのFlash Playerを無償で配布しています。導入コストのバリアがないために普及しやすく、OSを超えるところまで普遍的に広がっています。Flash Playerは、Windows、Macintosh、Linux、Solarisなどの違いを吸収するだけでなく、異なるWindows間の違いもMicrosoft以上にうまく吸収して互換性を提供できています。
MSへの回答は「革新の継続」
ITmedia しかし、Microsoftも9月のPDCで「Expression」シリーズを発表しました。彼らへのメッセージは、やはり「Try Agin」ですか。
リンチ Expressionシリーズはデザイナーの生産性を高めるツールということで、われわれの領域に近いところにMicrosoftも製品を投入しようとしています。それに対して真剣に考えていますが、われわれの回答は、得意とする分野で迅速な革新を継続していくことです。
ただし、過去にも彼らはある分野を乗っ取ろうと仕掛けたことがありますが、必ずしも成功しているわけではありません。例えば、IntuitのQuickenに対してMicrosoftはMoneyをぶつけてきましたが、Intuitは自社の方向性を見失うことなく、顧客とより緊密な関係を築き、顧客に近いところへ製品投入を継続することで、逆にビジネスを成長させることができました。
われわれもプロフェッショナルデザイナーらと緊密な関係を築いていると自負していますし、革新の継続によって差を広げていくことができると考えています。
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