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中堅企業のシステム構築の勘所――とにかく早く稼動させるシステムインテグレーターとの付き合い方(5/8 ページ)

IT投資は「右へならへ」の時代が終わり、質が問われるようになってきた。ビジネスの基盤となりつつあるITに対して、中堅企業はいかに取り組むべきか。人材や資金面で制約の多い中堅企業のシステム構築の勘所を探る。

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とにかく早く稼動させる

 業務を検討し、結果としてシステム構築の判断をしたならば、とにかく早く稼動させることを考えることだ。システム構築に時間をかけるとさまざまなデメリットが生じる。

  • ビジネスや業務が変わってしまい、システムが追いつかなくなる
  • システム構築に費用が掛かる
  • 効果が上がらず、改革が息切れしてしまう

 システムを早く稼動させることは、こうしたさまざまなリスクを軽減し、プロジェクトを成功させるための必要条件ともいえる。

なるべく作らないで導入する

 そのためには、まず業務を徹底的に標準化しなければならない。業務の目的は同じでも人それぞれ違うやり方をしているものだ。また、目的があいまいで形骸化した業務があるかもしれない。こうした従来の仕事のやり方を見直して単純化する、例外、既得権や慣習を認めず不要な業務はばっさり切り落とすことが必要だ。

 次に目的にあったシステムの構築方法を考える。システムの構築方法は大きく3つに整理できる。

1.パッケージをそのまま導入する

2.パッケージを部品として使いシステムを構築する

3.パッケージを使わずゼロからシステムを構築する

 3のゼロからシステム構築は、システムインテグレーターに委託するにしても、負担が大きいし時間もかかる。なんと言っても慣れていない企業には、「紙芝居」とも言われるプレゼンテーションツールでの説明だけでシステムの機能が十分かを判断することは難しい。開発規模が小さく、特異なシステムでない限り、ゼロからシステムを構築するのは避けた方がいい。

 短期導入を目指すには原則として、1のようにパッケージをそのまま導入するか、プロジェクトの目的上重要な業務やシステム要件についてのみ、2のパッケージを部品として使いシステムを構築するという方法をとるべきだろう。システム構築の前段として、業務の検討ができていれば、この切り分けは難しくない。

 ERPパッケージ活用の実態を見てみると、平均で50%の企業が自社用にカスタマイズやアドオンを行っている(日本情報システム・ユーザー協会 「ユーザー企業IT動向調査 平成15年2月」)。基幹業務ならともかく、会計、給与といった支援業務についても40%に及ぶ企業がカスタマイズしているのは、こうしたシステム構築の方針を明確に意識せずに取り組んでいる結果の表れと思われる。

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