緑屋電気、基幹システムをUNIX環境からLinux環境に移行
デルは第一生命情報システムと連携し、緑屋電気の基幹システム「SAP R/3」をUNIX環境からILinux環境へ移行させたことを発表した。
デルは10月26日、エレクトロニクスの専門商社である緑屋電気の基幹システム「SAP R/3」をUNIX環境からIAサーバで稼動するLinux環境へ移行するプロジェクトを第一生命情報システムとの連携により達成したと発表した。緑屋電気ではグループ4社ですでに新環境での稼働を開始、本社でも2005年12月のカットオーバーを目指している。
緑屋電気はこれまで、UNIX環境でSAP R/3の導入とアップグレード、SANストレージの導入などを行い、基幹システムの強化・拡充を行っていた。しかし、エレクトロニクス業界における商流・物流の多様化・複雑化に対応するため、グループ会社・取引先を含めた独自テンプレートの開発・導入を行いつつ、TCOの削減とコストパフォーマンス向上を目的に今回の移行に踏み切った。
今回の移行で課題となったのは、64ビットUNIX環境から32ビットLinux環境への移行による、パフォーマンスや互換性・信頼性の低下だけでなく、SAP認定Linuxカーネルに制限があることだった。加えて、運用やバックアップ面でSAPの周辺ソフトウェアがLinux環境でどこまで機能を発揮できるか、ストレージ・ソリューションによる、システムの保全性や信頼性を保証できるか、などもクリアにしなければならないポイントだった。
デルと第一生命情報システムは、SAP on Linuxの共同検証を行うなどしてこの課題の解消に努め、最終的には以下のようなシステム構成を提案している。
- SAP R/3 DB本番機:PowerEdge 6650×1
- SAP R/3 AP本番機・開発機:PowerEdge 2850×2
- SAP R/3品質保証機(バックアップ・サーバ):PowerEdge 2800×1
- SAP BW本番機・開発機:PowerEdge 2850×2
- ストレージ:EMC Symmetrix DMX 1000
- バックアップ用ストレージ:Powervault 114TX8、220S×2、132T×2
- OS:Red Hat Enterprise Linux AS 3
この結果、導入コストも2001年にUNIX環境をアップグレードした時と比較して50%削減されたほか、導入期間もテンプレート開発を含め、9カ月と計画通りに完了している。緑屋電気では今後、SMP環境とDisk l/Oの性能改善を目的とする、Red Hat Enterprise Linux AS 4の検証や、SAP BW3.5への拡張、LinuxクラスタによるOracle 10g RACの導入などの拡充計画を予定している。
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