次のイノベーションのリーダーはGoogle?
Microsoftは新たなホスティングサービス「Windows Live」「Office Live」を発表したが、それでもなおGoogleは優位にあるとアナリストは指摘する。
Microsoftの会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏が同社の新しい「Windows Live」および「Office Live」に関する説明をまだ終えてもいないというのに、業界観測筋やアナリストたちはすでに、検索分野最大手のGoogleが相変わらず優位にあり、Microsoftは「派生的イノベーションの企業文化」を改革する必要があると話している(関連記事)。
Forrester Researchのジョージ・コロニー会長兼CEOは、10月31日付のオンラインコメンタリー「My View: The Google Future」(わたしの見解:Googleがもたらす未来)の中で、Webページは「eXecutable Internet」(Xインターネット)と呼ばれる新しいソフトウェアモデルによって取って代わられると予想している。このモデルでは、ユーザーは従来の静的なWebページよりも遙かに多くのことができるようになるという。
「この革命を率いる企業はGoogleだろう。すでに同社は、ユーザーのコンピュータ上で動作するけれどもデスクトップとインターネットとの間の区別がはっきりしないGoogle ToolbarやGoogle Desktop Searchのようなプログラムを開発している」とコロニー氏は述べている。
Microsoftの3つの新事業部にまたがるソフトウェアサービス戦略を推進する責任者であるレイ・オジーCTO(最高技術責任者)は先週、オンライン広告などについて同社がGoogleからいろんなことを学んだことを認めた。
「われわれはGoogleからたくさん学んだ。われわれは一丸となって積極的に改良を進めている」――サンフランシスコで行われたWindows Liveのローンチイベントでオジー氏はこのように語った。
「彼らもわれわれも、購入ニーズを持った人々に技術がどうこたえるかという問題について、ようやく最初の一歩を踏み出した段階にすぎない」(オジー氏)
カリフォルニア州レッドウッドショアーズにあるセキュリティベンダー、Qualysのフィリップ・クールトーCEOは、「Windows LiveとOffice Liveの発表は、新技術の出現によって自社の市場支配が再び脅かされていることを、Microsoftがはっきりと認識したことを示している。これらの技術は、サービスとして提供されるアプリケーションの主要な配信メカニズムとしてインターネットを利用する」と話している。
コロニー氏は、「Microsoftがリリース予定のWindows Vistaは素晴しい魅力を備えていなければならず、同社は派生的イノベーションの企業文化を再び活性化することができなければならない」と指摘する。
「Xインターネットの出現は、ソフトウェア分野とインターネットの勢力地図を根本的に塗り替え、Microsoftは明らかな敗者になるだろう。MicrosoftにとってGoogleが非常に危険な存在であるかもしれないのも、そのためだ。GoogleはMicrosoftよりもプログラミングをよく知っている」(同氏)
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