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Sun、手軽に使える電子メール暗号化サービスを推進

Sun MicrosystemsはLucent、Echoworxとともに、ISPやキャリアを通じて、企業向けの暗号電子メールサービスを開始する。

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 Sun Microsystems、Lucent、Echoworxの3社が、暗号化サービスを共同で提供する。このサービスを利用すれば、企業は電子メールのセキュリティを確保するためのインフラを自前で構築しなくても済むという。

 「Sun Secure Mail」と呼ばれるこのサービスは、ISPやキャリアに販売され、そこからさらに企業や個人ユーザーに販売される形になる。小売価格はISPが設定するが、Sunによると、同社がISPに提供する卸売りサービスの価格に基づいて判断すれば、1ユーザーに付き月額5〜10ドルになると予想されるという。

 Sunは、同サービスを購入するサービスプロバイダーの名前を明らかにしていないが、米国の電話会社/ISPが11月28日に、Sun Secure Mailをベースとしたサービスを発表する予定だという。

 中小規模企業向けのISPであるUSA.netでは、このサービスを検討中であり、来年には暗号化された電子メールサービスを提供する予定だとしている。USA.netのデビッド・レイモン社長によると、同社がSun Secure Mailを利用すれば、自社独自のハードウェア/ソフトウェアに投資しなくても、顧客の電子メールのセキュリティを確保できるという。

 USA.netは3年前、自社で購入したハードウェアとソフトウェアをベースとした暗号化電子メールサービスを立ち上げたが、多くの問題が発生したためにサービスを中止したという。しかしセキュリティに対する関心が高まっている昨今、顧客はこういったサービスを再び求めているという。

 Clipper Groupでインフラアーキテクチャ/ソリューションを担当するディレクター、アン・マクラーランド氏によると、電子メールを暗号化したいけれども、自社でそのインフラをセットアップするリソースを持たない企業にとって、暗号化電子メールサービスは魅力的かもしれないという。

 暗号化のための公開鍵インフラを構築する作業は複雑で高いコストがかかるが、インフラをアウトソースすれば、少なくとも年間コストを予測できるため、予算の管理が楽になる。「暗号化インフラを自前で運用した場合、障害が発生すると、いきなり大変な作業負担が発生する可能性がある。しかも、それはいつ起きるか分からない」とマクラーランド氏は話す。

 Sunのサービスで使用するハードウェアは、コロラド州ブルームフィールドにあるLucent Worldwide Servicesのネットワークオペレーションセンターに置かれ、ルーセントがサービスのプロビジョニングを担当する。ユーザーの認証と電子メールの暗号化にはEchoworxの技術が用いられ、Sunはこの事業のまとめ役を務めるとともに、サービスをサポートするのに必要なサーバを提供する。

 Sun Secure Mailのリテール契約を結んだ顧客は、キャリアのプロビジョニングサイトにアクセスし、MicrosoftのOutlookまたはOutlook Express、あるいはBlackBerryの電子メール用のソフトウェアプラグインをダウンロードすることができる。このプラグインをインストールすれば、電子メールアプリケーションの「Send」ボタンの横に「Secure」ボタンが表示される。これをクリックすると、電子メールが暗号化される。

 暗号化されたメールの送信先もSun Secure Mailの契約ユーザーであれば、相手に直接送信され、送信先のマシンで復号化される。そうでない場合は、送信相手はSun Secure Mailサイトから電子メールを取り出すようにという通知メールを受け取る。受信者がそこで、事前に設定した秘密(母親の旧姓など)を入力すると、Webブラウザ上で電子メールを開くことができる。

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