バルマー氏、MSの新戦略を語る:Interview(2/2 ページ)
Visual Studio 2005というエンタープライズ向けのキープロダクトをリリースし、さらにサービスとしてのソフトウェアへの注力を明らかにしたMicrosoft。バルマー氏がその狙いを語った。
ある意味では、われわれには3つのサイクルタイムが必要だと思います。Community Technology Previewsでは、6〜9カ月のサイクルで発表を行うつもりです。通常の2年サイクルも必要です。そして恐らく今後も常に、2リリース先を目標にして大規模な開発を続けることになるでしょう。これは心構えの問題ですが、早期にこの目標を達成できると思います。
―― 業界の流れとして、ソフトウェアライセンスの販売をベースとした経済モデルから、Office Liveのようにサービスとしてのソフトウェアや、Red Hatが提供しているようなサブスクリプション方式のサービスなどの代替モデルに移行しつつあると考えていますか?
バルマー 3つのモデルすべてが存続すると思います。まず、われわれがトランザクションモデルと呼んでいる方式、つまり製品を販売するというモデルです。また、使用量に応じて料金を支払うサブスクリプションモデルがあります。そして、広告収入を得るために、あるいは大規模な構想の一部として、ソフトウェアを提供するというモデルも存続するでしょう。
つまり、われわれはExpressエディションで何をしているのかということです。これらを無償ダウンロードとして提供していますが、これは、われわれが利潤追求企業であることを放棄したことを意味するわけではありません。われわれは、学生たちに金銭的ゆとりがないことを認識していますが、それと同時に、これらの学生の何パーセントかが将来、自分自身で、あるいは勤務先の企業で、Visual StudioのフルバージョンやSQL Serverのフルバージョンを購入するような道筋を作りたいと考えているのです。
―― それぞれのモデルにどの程度の比重を置くつもりですか、また、各モデルからどれだけの収益が期待できるのですか?
バルマー われわれはすでに、年間20億ドル近くの広告収入を上げています。これは小さな数字とは言えません。また、当社の企業顧客との契約をどう見るかにもよりますが、その一部は一種のサブスクリプション方式であり、これも小さな数字だとは言えません。これら3つのモデルにはいずれも、さまざまなシナリオにおいて多くの経済的可能性があると思います。
しかし広告収入が、ミッションクリティカルなアプリケーションで主要な収益源になると考えているわけではありません。この分野では、今後もトランザクション主体の収益モデルになるでしょう。将来は、その傾向がさらに強まるかもしれません。
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