「Solaris」と「OpenSolaris」を語るSunのロイアコノ執行副社長:Interview(2/2 ページ)
12月にSolaris 10の最初のアップデートを行うSunのロイアコノ執行副社長が、SolarisとOpenSolaris、それらへの支持の拡大、そして次期メジャーバージョンアップとなる「Solaris Next」について語った。(IDG)
―― 「Project Janus」から「Linux Application Environment」と改称された、未修正LinuxバイナリをSolarisで稼働させられるようにするプロジェクトはどうなりましたか? Solaris 10にはすでに搭載されているのでしょうか? そうだとしたら、Red Hat Linux向けのアプリケーションをセグメント化されたコンテナを介してSolaris上で稼働できるようになるという、Sunの最近の発表とはどう差別化されるのでしょう?
ロイアコノ Janusはもう出荷していますので、Janus 2.0として発表した「Solaris Containers for Linux Applications」のことを意味しているのだと考えてください。これは新しく強化された技術で、いかなるLinuxディストリビューションでもコンテナ内で長時間実行できる機能を持っています。Red Hatのバージョン2をあるコンテナで実行し、同時にバージョン4を別のコンテナで実行することができるのです。Red Hatを最初に発表したのは、同社の製品が60〜80%のマーケットシェアを持つ有力なものだからです。
―― ZFSは昨年リリースされたSolaris 10の第1版に搭載されるとみられていましたが、なぜそうならなかったのですか?
ロイアコノ なるべく早い段階でSolarisに諸機能を追加しようと、レースにでも参加しているかの勢いで努力したのです。そのかいあって、Solaris 10の最初のアップデートを12月に行えることになりました。ZFSはロケットサイエンスのようなまったく新しい技術で、(これをSolarisに搭載するのには)思っていたより時間がかかってしまいました。
なお、Solarisのアップデートは、12月6日に行うSunの四半期ごとの製品発表とは関係ありません。6日に行う発表は、コンパイル技術やプラットフォーム、サポートといったハードウェア関係のものになります。
準備が進む「Solaris Next」
―― Solarisの次期メジャーリリース「Nevada」のロードマップはどうなっていますか?
ロイアコノ 一部の技術者がNevadaという名称を内輪で使用していましたが、今は「Solaris Next」という製品名が付けられています。新コードはまずOpenSolarisで利用できるようになり、統合および試験を経て、Solarisの名を冠する商用版の提供に至ります。3カ月から5カ月ごとには、Solarisの新しいアップデートを発表できるようになるでしょう。ZFSはOpenSolarisに搭載されていますし、2006年春にはSolarisでも利用可能になります。
―― OASISのコンソーシアムが世界標準化を進める「Open Document Format for Office Applications(OpenDocument)」については、どうなっていますか?(注:米国時間11月22日には、Microsoftが競合する「Office Open XML」ドキュメントフォーマット技術をISOに提出すると発表したが、このインタビューは同発表の前に行われている)
ロイアコノ OpenDocumentへの取り組みは非常にうまくいっています。マサチューセッツ州が(同ファイルフォーマットをサポートすると)決意を表したときは、ほとんど信じられませんでした。ほかのベンダーがこれにどう反応するかが、大いに気になりますね。
―― Microsoftはどのような態度を取ると考えていますか?
ロイアコノ 遅かれ早かれ(OpenDocumentを)サポートするしかないと思います。ユーザーを囲い込んでいるのは(Microsoftの)Officeではなく、そのファイルフォーマットなのです。
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