SOA開発の簡素化を目指すApacheの「Tuscany」プロジェクト(1/3 ページ)
Apache Software Foundationの年次カンファレンスでは、「Tuscany」と呼ばれる新提案が話題だ。特定言語に依存したアプリケーションコンポーネント実装技術と、高レベルのSOAデザイン手法との間に存在するギャップを埋めるためのプロジェクトである。
今週、サンディエゴで開催中のApache Software Foundationの年次カンファレンスでは、「Tuscany」と呼ばれる新提案が大きな話題になっているようだ。
Tuscanyは先週、Apacheのインキュベーションとして承認された。同プロジェクトの提案書によれば、Tuscanyは、特定言語に依存したアプリケーションコンポーネント実装技術と、高レベルのSOA(サービス指向アーキテクチャ)コンセプト/デザイン手法との間に存在するギャップを埋めるためのプロジェクトである。
企業内開発者にとって永遠の目標である容易な開発を目指すTuscanyプロジェクトは、各種のフレームワークおよびソリューションを組み合わせることにより、SOAベースのシステムの構築を簡素化する。
Tuscanyプロジェクトに寄与する人間の大半は、IBMおよびBEA Systemsの技術者である。しかしTuscanyの提案書によると、同プロジェクトは能力主義に基づいて運営されているとしている。これは、プロジェクトの規模が「非常に広範であるため、それ以外の方法では成功を期待できないからだ」という。
ApacheのコミッターでBEAのシニアソフトウェアエンジニアを務めるエディー・オニール氏によると、Java開発者はTuscanyおよび最近発表されたSCA(Service Component Architecture)に注目すべきだという。サービスのイネーブルメント(実装/実現)、そしてJ2EE(Java 2 Platform, Enterprise Edition)アプリケーションレイヤーよりもさらに上のスタックを目指す動きが最近のトレンドだ、と同氏は付け加える。
一方、初期のTuscanyインプリメンテーションはJavaで書かれており、すでに配備プラットフォームとしてApache Tomcatに統合されている、と同提案書は記している。このインプリメンテーションは間もなく、Apache GeronimoやObjectWeb CeltixなどのJavaミドルウェア環境にも統合される予定だという。さらに同提案書によると、C++で書かれたインプリメンテーションもあり、BPEL(Business Process Execution Language)などの言語のサポートも予定されているという。
Tuscanyは、SCA規格および関連技術(IBMおよびBEAが開発中の規格であるSDO:Service Data Objectsなど)の複数言語のインプリメンテーションを提供する。
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