IPAが新情報セキュリティ試験、「知識だけじゃ受かりません」
セキュリティアドミニストレータ試験に加え、情報処理技術者試験の新試験区分として「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験」が創設される。
情報システムにおけるセキュリティへの注目が高まっていることを受け、情報処理技術者試験の新試験区分として「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験」が創設される。情報処理推進機構(IPA)は1月13日に開催された説明会で、初回の受験者は3万人ほどに達するとの予想を示した。
新試験の目的は「セキュリティ分野に知見のあるプロフェッショナルを評価する」(IPA)こと。2001年から実施されている「情報セキュリティアドミニストレータ試験」が情報システム利用側のものであるのに対し、情報システム開発側の試験であることを明確にした。
情報処理推進機構情報処理技術者試験センター長、澁谷ヘ氏は、「実施スタートは情報セキュリティアドミニストレータ試験が先行したが、アンケートによって受験者の半分以上が開発側だったことが分かった」とし、「(情報セキュリティアドミニストレータ試験の受験者が4万人強であることから)潜在的には3万人くらいの人には受けていただけると思っている」と予想した。
試験合格の水準について、国士舘大学情報科学センター教授 情報処理技術者試験委員 杉野隆氏は「合格には幅広い知識に加え、経験と実践能力が必要。教科書のみの学習で受かってほしくない。実際の技術力を持っている人に受かってほしい」とした。
「セキュリティリスクが発生すると、企業の基盤までも損ないかねない被害となる可能性がある。セキュリティでは新規技術が次々と登場し、陳腐化あるいはブラックボックス化する。ブラックボックス化した技術を使えるだけではなく、その中身を理解し、長所と短所をわきまえたうえでシステムに適用できるエンジニアを期待する。試験問題もそれが判断できるようなものになっていくはず」と語る。
テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験の初回の実施は4月16日、受験申し込みは1月16日から。澁谷氏は「初回受験者の反応は重要。今回は特に詳しいアンケートを実施し、受験者の声を2回目以降の実施に生かしたい」と語った。
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