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64ビット化の波がサーバ製品に、Exchange 12は64ビット版のみの提供へ(2/2 ページ)

Microsoftが提供する64ビット版のサーバ製品は、加速度的に増えていく見通しだ。Exchangeの次期バージョンをはじめ、同社の一部のサーバ製品は、64ビット版のみのリリースになる。

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64ビット対応製品のロードマップ


64ビット対応製品のロードマップ

 Microsoftは主要なWindows Server System Softwareの64ビット版のリリースに向けて、積極的に取り組みを進めている。64ビットプロセッサのサポートは、オンライン分析処理(OLAP)などのメモリ集約型アプリケーションや、CADなどの計算集約型ワークステーションアプリケーションにメリットをもたらす。顧客の間ではx64アーキテクチャの人気の方が高いため、ItaniumプロセッサをサポートするのはWindows ServerとSQL Serverのみとなる。その他の64ビットサポートはすべて、AMDの64ビットプロセッサファミリAMD64 AthlonとOpteronのほか、IntelのExtended Memory 64(EM64T)プロセッサファミリーなど、x64プロセッサ向けとなる。

 Windows Vistaクライアントは近い将来、32ビット版とx64版がリリースされる。Itaniumのサポートは提供されない。Windows Serverに関しては、2009年にLonghorn Server R2がリリースされるまでは、32ビット版も提供される。Itaniumのサポートは、市場でのニーズを見込める場合は提供される。 Windows Compute Cluster版の32ビット版は提供されず、x64版のみが提供される。

 Windows Small Business Server(SBS)と、コード名でCentroと呼ばれる中規模市場向けサーババンドルについては、将来的にはx64版のみが提供されることになる。これはおそらく、両システムのコンポーネントとなるExchange 12がx64版のみ提供されことによるものだ。

Windows OSの64bit化

 MicrosoftはWindows OS自体に関しては、サーバ市場でのOSのシェアをLinuxに譲ることのないよう、もっとゆっくりと移行を進める計画だ。

 次期クライアントOSとなるWindows Vistaは、2006年遅くに32ビット版とx64版の両方が提供される予定だ。さらにその次のWindowsクライアント(2008年遅くか2009年初頭にリリース予定のVista R2)でも、32ビット版は用意される見通しだ。

 同様に、Windows Serverの次期メジャーアップデート(コード名でLonghorn Serverと呼ばれ、2007年半ばから遅くにかけてのリリースが予定されている)も、32ビット版とx64版の両方が提供される。予定ではItanium版も提供されることになっているが、これについては、実際の需要のほか、x64プロセッサとItaniumプロセッサの採用の比率によって決まることになるだろう。

 高性能コンピューティング(HPC)向けの新しいWindowsバージョンとなるWindows Computer Cluster Server 2003については、x64版のみが提供される。

プロセッサの変更が移行を複雑に

 AMDとIntelはしばらく前からx64ベースのプロセッサを出荷しているが、x64ベースのWindowsが広く提供されるようになったのは2005年4月になってからだ。64ビットのデバイスドライバが十分に揃わず、またアンチウイルスや専用のバックアップユーティリティなど、重要なソフトウェアの64ビット版も揃っていないことから、OEMの多くは依然として、Windows Serverの32ビット版を搭載したx64ベースのシステムを販売している。こうしたサーバをいったん32ビットOSで配備してしまった場合、インプレースアップグレードを行うためのツールやサポートは提供されていない。

 したがって、最初に64ビットハードウェアで導入された多くのシステムは決して、64ビットOSにはアップグレードされないことになる。特に、現行の32ビット版Small Business Server(SBS)がプレインストールされた状態で購入された64ビットシステムの場合は、なおさらそうだろう。小規模企業の多くは、こうした大規模な移行のためのリソースを持ち合わせておらず、また、システムの規模も小さいため、Microsoftが64ビットへの移行を促す理由として挙げているような性能上の問題も抱えていない。

 Microsoftの仮想化ソフトウェアもまた、64ビット化に伴う問題を抱えている。多くの組織は、仮想化技術をシステム管理に役立てている。仮想化技術を使えば、独立した複数の「ゲスト」OSのインストールとそのアプリケーションを1台のサーバで設定、管理できるからだ。だが、Microsoftの仮想化ソフトウェアは現在、64ビットのゲストOSをサポートしておらず、おそらく少なくともExchange 12のリリースから1年以内はサポートしないことが予想される。つまり、顧客は当面の間、VMwareなど他社の仮想化製品に依存しなければならないことになるだろう。

32ビット版のサポート期間の理解

 Microsoftは既存の32ビット版製品については、そのメインストリームフェーズと延長フェーズのライフサイクルにわたって、サポートの提供を継続する。ただし、このサポートの範囲を正しく理解することが重要だ。

 つまり、Microsoftはそれが適切と判断すれば、バグや脆弱性をアップデートするためのパッチをリリースするだろうが、そうしたサポートに将来のサービスパックが含まれるかどうかは定かではない。とにかく、セキュリティの強化も含め、64ビット版に加えられるアーキテクチャ上の変更が32ビットのレガシーバージョンに下位移植されることはおそらくないはずだ。

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