Sunのシュワルツ氏、自身の課題について語る:Interview(2/2 ページ)
Sun Microsystemsのジョナサン・シュワルツ社長兼COO(最高執行責任者)が同社における自身の課題、省電力に向けたSunの取り組み、オープンソースなどの話題について語った。
シュワルツ われわれは業界の統合者になるつもりです。45億ドルの現金を保有する当社は、有機的な成長を継続するだけでなく、買収活動も重視しています。われわれは、ネットワークインフラのパフォーマンスの根本的な変革につながるイノベーションの買収に照準を合わせるつもりです。われわれは、コンピューティングを定義する技術のプロバイダーを目指しているのです。
―― Solaris OSのバージョン、認定資格、アップデートについて明確に説明していただけますか。
シュワルツ ISVが認定資格について心配しなければならないリリースは、Solaris 10が最後となります。というのも、今後はすべての新機能と新技術が、アップデートや新サービスという形で提供されるからです。われわれは非常に多くの新技術を準備しており、これらはアップデートとしてリリースされる予定です。例えば、6月にリリースを予定しているUpdate 2には、ZFSが含まれます。これは、メインストリームのディストリビューションとして世界で唯一の128ビットファイルシステムになります。
―― Sunがすべてのソフトウェアのオープンソース化を進め始めたとき、アナリストの予想はどのようなものでしたか。また、現実はどうでしたか。
シュワルツ すべてのソフトウェアが無償のオープンソースになれば、当社の収入がダウンするだろうと予想されていました。しかし現実には、当社の収入はダウンせず、当社製品の採用を検討する企業が増えました。
―― OSをオープンソース化し、ミドルウェアをオープンソース化しました。次は何ですか。
シュワルツ SPARCです。今度は、当社のハードウェアプラットフォームもオープンソースになるのです(関連記事参照)。
―― オープンソースの採用は、顧客にとってリスクのあることなのでしょうか。
シュワルツ オープンソースはクローズドソースよりも安全ではありません。顧客は「このベンダーは安全なのか」という心配をしなければなりません。
―― コンピューティングパワーをリースあるいはレンタルするというSunの計画はどうなったのですか。
シュワルツ Salesforce.comは、アウトソーシング型サービスがアプリケーションサービスを提供するための適切なモデルであることを実証しました。それがコンピューティングサービスを提供するための適切なモデルであることをだれも実証してはいませんが、両者の間には大きな隔たりはありません。われわれはグリッドに移行する顧客に、1社ずつ個別に対応しています。
―― Googleとの提携は、その後どのような展開になっているのですか。昨年の提携以降、ほとんど発表がないことに失望が広がっています。
シュワルツ はっきり言えば、メディアが失望しているだけです。これからもまだ続きがあります。すべての企業はいずれ、コンテンツを配信するだけでなく、技術も配信するビジネスを展開するようになるでしょう。両社の間では非常に活発な話し合いが行われています。
―― Microsoftとの話し合いに関しては、新たな展開はありますか。
シュワルツ ネットワーク認証をめぐる標準などに関して、Microsoftと引き続き共同作業を行っています。この分野が両社の活動の中心となってきました。また、JES(SunのJava Enterprise System)は、Microsoftの.NETスタックと相互運用性がある唯一のオープンソースプログラムです。実際、われわれは非常に多くの作業を行ってきました。ただし、デジタル著作権管理に関しては、おそらくMicrosoftと意見が一致しないでしょう。
関連記事
- 「参加の時代」にセキュリティは不可欠、Sunのマクニーリー氏
- Sunのシュワルツ社長がGPL 3の採用を示唆
- Sun、UltraSPARCの仕様を公開
- Sun、UltraSPARC T1プロセッサをオープンソース化
- SPARC以来のブレークスルー、エコ・チップ搭載「Sun Fire CoolThreadsサーバ」
関連リンク
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.