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ITで中堅企業のコーポレートガバナンスを強化強い中堅企業のIT化シナリオ(2/3 ページ)

中堅企業のIT化は大企業とは比較にならないほど多くの制約条件がある。しっかり戦うためには、ERPをベースにした内部統制強化で基盤を固め、ペーパーレスと業務の可視化なども併せてITを活用していくことにある。

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中堅企業におけるガバナンス強化シナリオ

 さて、中堅企業でも株式を上場していれば、原則は大企業と同様に内部統制対応やガバナンス強化が求められる。

 財務報告の信頼性を保証するために、会計処理を厳正化し、同時にシステム化を見直すことはやむを得ないとしても、業務処理手順の全社的な見直しや文書化の作業には莫大な費用と労力が要求される。

 内部統制における文書化作業には、職務記述書(業務処理手順書、マニュアル)、プロセスフローチャート(業務処理プロセスとそのリスクポイントの記述)、リスクコントロールマトリクス(リスク管理の管理表)、テスト・評価管理文書(運用テストの結果評価文書)の4つが必要となる。

 一般に、中堅企業では大企業よりも、紙をベースにした手続きを踏む業務処理が多い。筆者は、ここに中堅企業が全社的なガバナンス強化を始める起点になると考えている。

 「ハンコ文化」の日本では、業務処理手順は紙の処理をたどることによって把握することができる。だが、実際には紙で処理する分野があると同時に、特定の業務にはシステムが導入され、紙ではなく帳票出力機能が備わっている。結果として、業務処理の手続きのやり方が統一されていない状況になっている。

 そこで、紙で扱っている処理を電子化し、システムごとにバラバラになっている帳票出力機能をまとめて一元管理することが、業務処理における透明性と監査性を強化することにつながると言えよう。さらに、こうした対応を通じて現場の意識を高め、システム化とガバナンス強化の両面の意識改革を狙うわけだ。

シナリオ:ペーパーレスと業務の可視化

 さて、ここで中堅企業がコーポレートガバナンスを強化するための具体的なIT化シナリオを考えてみたい。


巻紙分析を適用して業務プロセスを可視化する

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