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Eco Forum、サーバ消費電力の統一指標を策定へ(2/2 ページ)

AMDやGoogle、Intel、Microsoft、Sun Microsystemsら各社は、データセンターの省エネルギー化支援を目的に、サーバの消費電力を測定する統一指標の策定に取り組んでいる。

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 同グループが策定する基準の妥当性を確立するには、ユーザーのニーズに適合し、細工や改ざんが難しいベンチマーク、サーバ、サーバ構成および環境パラメータを選択することが重要なポイントとなる。

 例えば、空気温度を規定することで、テスト担当者があるマシンには10℃の空気を供給し、別のマシンには40℃の空気を供給するといった、テストの結果に影響するような細工をするのを防ぐことができる。

 Eco Forumは、6月にワシントンD.C.で開催予定の会合で最初の作業の成果を提出したいとしている。ハンター氏によると、同グループはこの会合で、サーバの電源のデザインなどの問題についても議論する予定だ。

 「6月のフォーラムでは、われわれが対処すべき問題のリストを提示するとともに、どんな問題にどのように対処することを望んでいるのかを業界に問いかけることになるだろう」とハンター氏は話す。

 フォーラムが策定する指標は、個別マシンの比較に役立つだけでなく、サーバの将来の消費電力を予測するのにも用いることができそうだ。そうなれば、企業はデータセンターの電力予算を正確に策定できるようになる、とメンバーらは話す。

 しかしハンター氏は、同フォーラムのサーバ電力指標を業界標準とは呼んではいない。

 「現時点では、エネルギー標準が業界の話題に上っていない。そんなときに、われわれが『これから標準を作成するつもりだ』などと言うのは控えたほうがいいだろう」と同氏。

 Eco Forumに参加しているメーカーの多くはすでに、サーバの消費電力を測定する取り組みや、顧客企業がデータセンターの電力を制御するのを支援する取り組みを進めている。例えば、Sunは、データセンターのエネルギー効率を測定するための技術「SWaP」(Space, Watts and Performance)を開発した。このため、同フォーラムの作業の成果を標準として業界に押しつけようとすると、普及が遅れる恐れがある、とハンター氏は話す。

 フォーラムの取り組みの幾つかは、広範な支持を獲得する可能性がある。その中には、早期に支持が得られるものもありそうだ。というのも、AMDが近い将来、同フォーラムでの作業と並行する形で、多数の業界プレーヤーを結集して、データセンターのエネルギー消費の改善を目指した取り組みを発表する見込みだからだ。

 ニューハンプシャー州ナシュアにあるIlluminataのアナリスト、ゴードン・ハフ氏は、「最近では、ユーザーにとって消費電力が重要な問題となっており、それを測定する手段を確立するというのは、非常に良いアイデアだ」と話している。

 しかしハフ氏はその一方で、ベンチマークはときとして、特定の結果を導くために歪曲されることがあるため、フォーラムが十分な数の支持者を獲得するのに苦労する可能性がある、と指摘する。

 ハンター氏によると、標準を押しつけるのではなく、広範な業界の意見を取り入れようとしているのもそのためだという。

 「グループ内で議論する目的は、消費電力の測定という問題に取りかかるためのフレームワークを作成するとともに、ユーザー志向の指標が確立されるようにすることにある」とハンター氏は語る。

 「指標をめぐる争いになるようなことだけは避けたいと思っている」(同氏)

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