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コラム

派閥、老害、建前主義との戦い企業にはびこる「間違いだらけのIT経営」:第5回(2/2 ページ)

経営層の中で「IT不信」とも呼ぶべき感情が渦巻いている場合の多くは、導入の際のマネジメントが不在で、過去のシステム導入で多大なコスト負担を強いられたという経験が尾を引いていることがあげられる。しかしそんな組織だからこそ得られるチャンスもあるのだ。

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チャンスを作り出すには相応の努力が必要

筆者がCIOに就任中は幸いにしてCEOと蜜月状態だったが、システム部門長の時には問題だった。筆者はシステム部門長の辞令を受けたとき、それまでの慣例を破って経営会議や業績会議に同席を申し出て、経営に参画しようと意気込んだ。しかし出席しても出番はなく、周囲から期待もされないため、ついに出席を中断した経験がある。反省すべきことは、出番がなくても、期待をされなくても、それは従来の慣例からすると当然のことであって、それでも根気強く出席し続け、システム改良要求があれば積極的に対応しつつ、徐々に経営に参画するチャンスを狙うべきだ。ラインが時々望むシステム改良は煩わしく、システムの他の部分への影響も考えると保守的になりがちだ。しかしできるだけ受け入れるか、それが不可能のときは背景や事情を説明して代案を示すかすることで周囲の信頼を得るようにすれば、その積み重ねでシステム部門長の居場所ができ、やがて経営に関する議論への参画のチャンスが来るということが、反省を含めて経験上言える。CIOやシステム部門長が従来の慣例を破って経営戦略策定に参画するには、それなりの努力が必要ということだ。

 そうは言っても、CIOの不在が多い中どうするか。

 CIOがいなくても、システム部門を管掌する役員がいるはずだし、少なくともシステム部門が所属する部署、即ち経理部なり、総務部なり、あるいは企画部なりの長が存在する。その該当役員なり部長なりが、CIOの責務を積極的に担うべきだろう。

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