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第1回:エンタープライズとLinuxの関係エンタープライズLinuxの実力(2/5 ページ)

企業システムをLinuxで構築する例が増えている。現在では、ミッションクリティカルな業務アプリケーションだけでなく、社会インフラを支えるソフトウェア基盤としても、Linuxが受け入れられるようになってきた。今回は、エンタープライズ市場におけるLinuxの状況を見てみよう。

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企業への導入を牽引したエッジ分野

 エンタープライズ市場にLinuxが導入され始めたのは、Webやメールなどインターネット/イントラネットのフロントエンドで利用される、いわゆるエッジ系サーバだ。この分野は、もともとインターネットとの親和性からUNIXが強い領域だった。しかし、ハードウェアもOSもベンダーに強く依存するUNIXは、Webサーバやメールサーバなどの単機能で利用するには、コストパフォーマンスに劣っていた。そこでエッジ市場は、汎用性が高く安価なx86サーバとFreeBSDのようなフリーUNIX、さらにはLinuxへと主役が移っていく。

 今のLinux市場を牽引する立場にあるレッドハットのディストリビューション「Red Hat Linux」も、当初はエッジ分野から導入されていった。ミッドレンジ系や基幹系サーバでも利用されているRed Hat Linuxだが、当然のことながらインターネットのエッジ系サーバに適した機能はすべて搭載されている。特にセキュリティ面、あるいはディストリビュータによるサポートを重視する企業は、エッジ系サーバに「Red Hat Enterprise Linux」を導入している。

 ターボリナックスの国産ディストリビューション「Turbolinux」も、エッジ分野を得意としてきた。現在でもエッジ系サーバでよく利用されているが、ターボリナックスはインターネットサーバ専用ディストリビューションとして「Turbolinux Appliance Server」も提供している。これは、製造中止となったサン・マイクロシステムズのインターネットアプライアンス「SUN Cobalt」互換を実現したものだ。


Turbolinux Appliance Serverに含まれるWebベースの管理ツール「ATOM Server Desktop」

 エッジ系サーバでは、商用でないディストリビューションが利用されることも少なくない。サーバ管理者にLinuxのスキルがあれば、申し分なく利用できる。現在、よく利用されているのが、レッドハットがフリーディストリビューションを開発終了したのに伴ってフェドラプロジェクトに移管された「Fedra Core」である。また、日本国内では各プロジェクトによって開発が続けられている「Vine Linux」「Plamo Linux」などが利用される例も多い。

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