NECは7月12日、3次元CADやCG作成といったテクニカル用途向けのワークステーション群を「SEGUENTE」シリーズとして強化した。デスクトップPCやサーバに続き、ワークステーションでも業界初の水冷式モデルが追加されている。
新製品の「Express5800/54Ca」は、独自に開発した小型水冷ユニットを搭載したワークステーション。ファンによる空冷方式に代えて水冷式を採用することで、グラフィックスボードにNVIDIA Quadro FXシリーズを搭載しながら、ささやき声並みの35デシベル以下に騒音を抑えた。「より静かな環境で効率的に設計を行いたいという現場のニーズに応えたもの」(同社)という。
水冷ユニットの受熱部とポンプ、リザーブタンクを一体化して小型化したほか、ワークステーション全体の熱設計に配慮することで、静音と筐体の小型化の両立を図った。同等性能機に比べ体積は約30%減少できているといい、スペースの限られたオフィスでも導入しやすくしたという。
「NECは日本のオフィス環境を十二分に熟知している。したがって、日本のオフィス環境に合ったワークステーションを出せるのはわれわれ」(NECの第二コンピュータ事業本部副事業本部長、百瀬裕也氏)。外資系ベンダーの価格攻勢が強まる中、省スペース化や静音化といったニーズに合致した製品の開発やサービス体制の部分で差別化を図る姿勢を示した。
サーバの低価格化、PCの高性能化も進むが、「2005年の国内ワークステーション市場は10%以上拡大しており、今後も、プロユースのグラフィックスやCAD、放送といった高性能なグラフィックス性能が求められる用途で需要が減ることはない」と百瀬氏。2006年度はワークステーション全体で7万台の販売を目標にするという。
なおExpress5800/54Caの価格は、Pentium 4 631(3GHz)、メモリ512MB、HDD 80GBなどを備えた構成で31万2000円から。NECは同時に、デュアルコアIntel Xeonを搭載した「Express5800/56Xd」もリリースしており、価格は37万9000円からとなっている。
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