IBMのRPDプログラムは製造業者のタイムツーマーケット短縮を目指す
PLM市場が今後年率12%成長する成長性の高い業種であることを強調するIBMは、RPDでユーザー企業を支援する。
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製品ライフサイクル(PLM)の短縮化に伴い、製造業者には売れる商品をいかに短期間で納入するかが問われている。戦略自体が優れているだけでなく、それに基づいた的確な施策をいかにすばやく市場に向けて打つことができるかが、競争を勝ち抜ける企業とそうでない企業を分ける。そんな中で、製造業のIT利用という面で大きな影響力を持つIBMは、RPD(Relational Product Development)という新たな取り組みを展開している。
RPDでは仏Dassault Systemsが提供する3次元CAD製品である「CATIA」と「ENOVIA」を基盤に構築されたソフトウェアが中心になる。一方で、エグゼクティブワークショップ、各種の診断、戦略的および技術的なロードマップの立案、ユーザートレーニングにいたるまで、常にビジネスニーズに沿った形で提供されるサービスである。
IBMはPLM市場の規模について、2005年度の650億ドルから、年間12%のスピードで成長し、2008年度には900億ドルに達すると予想しているという。特に、統合サービス、コンサルティング、ミドルウェア、運用管理の分野で大きな成長率を見込んでいる。
また、IBMのパルミサーノCEOは「イノベーションがもたらした変化によって今日の世界が導き出された。それはもはや個人のものではない。グローバルで共同作業することで成り立つ。その意味でイノベーションは規律なのである」という言葉を示す。それは、ビジネスにおけるイノベーション、PLMシステムを支えるインフラ、製品の革新という3つの要素を担う人々が、力を合わせて目指さなければ達成できない事柄であることを示している。
米IBMのPLM担当グローバルソリューションマネジャーを務めるマシュー・ワイルド氏は、「PLMの導入を成功させるためには製品や技術だけでなく、組織やプロセスにも注意を払うべきである」と話す。
世界でビジネスを展開するPLMベンダーの中でも、その2点を最適化できているベンダーは少ないとしている。そこで、IBMはPLM導入を考える企業に、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを包括的に提供することで、他社との違いをアピールする考えだ。そのための具体的なソリューションとして、RPDが位置付けられる。
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