企業の意識と脅威にギャップ――ウェブルートが企業向けスパイウェア対策ソフトを発表
ウェブルートは、企業向けスパイウェア対策ソフト「Spy Sweeper Enterprise 3.1」を発表した。スパイウェアの脅威が悪質・巧妙化する中で、対策の遅れがちな企業向けて売り込みを掛ける。
ウェブルート・ソフトウェアは7月26日、企業向けスパイウェア対策ソフト「Spy Sweeper Enterprise 3.1」を発表した。スパイウェアの脅威が悪質・巧妙化する中で、対策の遅れがちな企業向けて売り込みを掛ける。
米Webroot Softwareのデビッド・モールCEOによると、かつてのスパイウェアはポップアップ表示やブラウザを乗っ取るなどユーザーにも感染が分かりやすいものだった。最近では、ユーザーに気付かれず潜伏するタイプへ変化。新たなフィッシング型のトロイの木馬では、ルートキットのような機能を持ち、発見も困難になってきているという。米FDIC(米連邦預金保険公社)では、リスク評価プロセスにスパイウェアの項目を入れており、「スパイウェアはマーケティングを中心にしたものから、組織的な犯罪の傾向を帯びてきている」(モール氏)。
この脅威は消費者だけのものではない。スパイウェアを経由した知的財産の盗難などのリスクのほか、感染による従業員のPCのパフォーマンスを低下させ、企業の生産性に影響してくる。同社が2006年1月〜6月にかけて日本で行ったスパイウェア被害・対策調査では、スパムメールやウイルスに次ぐ脅威として3番目にスパイウェアを上げる企業が多かった。企業におけるスパイウェアの認識は着実に進んでいる。
しかしこの調査によると、ローカルPCでスパイウェア対策ソフトを利用しているという企業は45%と、米国の73%に比べると少ない。セキュリティスイート製品を導入していることで、対策は行えていると考えている企業も多く、実際のスパイウェアの脅威の進化と意識にギャップが見られるというのが現状だ、と同社は分析している。
ウェブルートでは、8月1日から企業がさらされているスパイウェアの脅威に対し、検知だけでなく、完全な駆除と管理機能を提供する企業向け対策ソフトを提供する。コンシューマー向け製品同様、15個の「スマートシールド」と呼ばれる機能で、未知のスパイウェアに対しても防御を提供する。ホワイトリスト機能を備えた「ルートキットプロテクション」も備えている。また、スキャンのためのCPU使用率を設定でき、スキャンの間の業務を停止させないこともできる。
管理者機能としては、Webベースの管理コンソールを用意。社内に展開したSpy Sweeperの全体状況を一覧できるほか、スキャン設定、スキャンで検知したスパイウェアをSNMPで通知することなどが可能だ。
価格は、10ユーザーライセンスが3万400円、100ユーザーライセンスが25万2000円、1000ユーザーライセンスが152万円となっている。すべてに1年間の更新サービスが含まれる。まずは中小企業を対象に販売パートナーを通じて販売する。
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