日本IBM、Opteronベースのサーバ新製品と日本AMDとの協業強化を発表(2/2 ページ)
日本IBMは8月2日、AMDの次世代Opteronプロセッサを搭載したサーバを発表した。Opteronプロセッサのワット性能にIBMの技術を投入し、ブレードサーバの熱対策にフォーカスした「Cool Blue」ソリューションがそのポイントだ。
技術面だけでなく、販売面でも協業を強化
今回の発表では、AMDとの協業の強化に関しても発表された。これまでも、IBMはBladeCenter LS20などAMDプロセッサを採用した製品を販売しており、HyperTransportコンソーシアムに参加するなどAMDとの協業を行っていた。しかし、これまでは技術的な協業にとどまっており、今回はそれに加え、販売などに向けた協業を行うと藤本氏は説明した。
具体的には、包括的なマーケティング協業やインダストリーごとの戦略立案を行い、金融や製造、通信業へのフォーカスを行うなどの共同戦略企画の実行や、それを実現するための「Cool SWAT」チームを創設し、日本IBMの営業部門と日本AMDエンタープライズビジネスデベロップメント本部の重点顧客への共同エンドユーザーセールスなどを行うとした。
ゲストとして招かれた日本AMD 代表取締役社長のディビット M.ユーゼ氏は、「AMDとIBMの協業は、AptivaシリーズへのAMDプロセッサ採用から始まり、プロセッサの製造技術では90nmから共同開発を始めている」とこれまでの技術的な協業を語った上で、「AMDはワールドワイドでブレードサーバで50%、4ウェイサーバで48%、全体でも25.6%のシェアを獲得している。これに対し、日本では2.9%のシェアにとどまっているが、今回の日本IBMとの協業、そして今回の製品投入でシェア10%獲得に向けて大きな加速が期待できる」と話す。さらに、「日本の市場はアメリカの市場から少し遅れて流れが来ます。今回のIBMのプラットフォームの投入によって、大きな流れが来ることを期待しています」と、今回のIBM製品に対する期待を語った。
さらに、「AMDには金融、通信、製造などに強い営業がいますし、さらに強化していきます。Cool SWATチームを通し、IBMと協力してシェア拡大をねらいます」と今後に向け、強い意欲を見せた。
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