SNSを取り込むMSの新生ブログ、大幅ユーザー増の可能性は?(2/2 ページ)
Windows Liveブランドで新たにリリースされたブログサービスSpacesに、米国で人気のMySpaceのようなソーシャルネットワークサイトの機能が加わった。ユーザーからの支持を獲得して、Windows Liveの他サービスへのトラフィックを拡大できるか?
Microsoftは、友人の探索と友人の友人機能により、ユーザー同士がネットワークを広げることで、SpacesをはじめとするWindows Liveサービスに対する支持を確立し、ユーザーがWindows Live上に滞在する時間を拡大させたい狙いがある。
その目標は、ソーシャルネットワークサイトのMySpaceで見られるようなトラフィックを獲得することである。2006年5月のNielsenのレポートによると、MySpaceのユニークユーザーは4200万以上で、年間成長率は実に300%を超えており、Web上で最も成長の早いサイトの1つになっている。
Windows Live SpacesグループのプロダクトマネージャMoz Hussain氏によると、Spacesの方がMySpaceよりも安全で実用的な体験ができるという。Spacesではユーザーが自分たちの友人を基点として、コントロールしながらネットワークを広げることができるが、MySpaceでは誰もが自由に連絡を取り合うことができてしまう。
Windows Live Spacesの新機能
Windows Live Spacesでは、以下のような新機能も追加されている。
- ガジェット SpacesのページにWindows Live Gadget(ガジェット)を組み込めるようになった。ガジェットはインタラクティブな小型のアプリケーションで、Microsoftやサードパーティが提供する。これまでは、Live.com(ユーザーがカスタマイズできるホームページ)でしか利用できなかった。なお現時点では、Windows Live Gadgetは、Windows Vistaに搭載予定のガジェットとは別物であり、互換性もない。
- 検索機能の統合 各ページの最上部に検索ボックスが表示されるようになった。ここから、Spacesや全Webに対する検索を実行できる。Microsoftは、この検索機能の統合により、人気の高いサービスのSpacesから、Windows Live Searchサービスにユーザーを誘導したいと考えている。Windows Live Searchは市場シェアの面でGoogleとYahoo!に大きく水を開けられている。
- バナー広告 Spacesのページの最上部にバナー広告が表示される。MSNではパートナーのKanoodleにより、Spacesのユーザーが任意で各自のサイトにテキスト広告を組み入れ、アフィリエート料を稼ぐことができた。今回導入されたこのバナー広告は、Kanoodleの広告とは異なり、ユーザーが掲載の可否を決めることはできない。また、広告料はMicrosoftに支払われ、Spacesのユーザーには分配されない。
- 新しいユーザーインタフェース Windows Liveの新しいユーザーインタフェース要素“ジュエル”が追加された。これは、Windows Liveのロゴにカーソルを重ねると表示されるドロップダウンメニューで、他のWindows Liveサービスへのリンクが表示される。
関連記事
- ブログにSNS機能を加えた「Windows Live Spaces」スタート
MicrosoftがブログサービスのMSN SpacesにSNS機能を追加、Windows Live Spacesとして立ち上げた。 - MSNの轍は踏まない、Windows Liveはオンライン事業を救えるか?
急成長中のインターネット広告市場を狙うWindows Liveの投入は、Microsoftのオンラインサービス史上における大変革ではあるが、同社のビジネスのあり方を根本的に変えるものではない。MSNの轍を踏むことなく、業績不調が続く現在の状況を打破することはできるか? - 誤解されやすいWindows Live、その正しい姿とは?
Windows Liveは、Microsoftが次々と打ち出すオンラインサービスの中でも特に注目を集めている。だが、Windows Liveがカバーする範囲を拡大して解釈したり、オンラインサービスへの新たな意欲を従来のソフトウェアビジネスとの決別であると誤解する可能性は高い。 - Gmailに対抗するActive Search機能、メール内のキーワード広告で差別化
提供が予定されている無償の電子メールクライアントWindows Live Mail Desktopに、ユーザーの電子メールに含まれる単語を基に検索語句の候補とテキスト広告を表示する機能“Active Search”が搭載される見込みだ。これはGmailに対抗する強力な武器となり得る。
関連リンク
Copyright(C) 2007, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. All right reserved. No part of this magazine may be reproduced, stored in a retrieval system, or transmitted in any form or by any means without prior written permission. ISSN 1077-4394. Redmond Communications Inc. is an independent publisher and is in no way affiliated with or endorsed by Microsoft Corporation. Directions on Microsoft reviews and analyzes industry news based on information obtained from sources generally available to the public and from industry contacts. While we consider these sources to be reliable, we cannot guarantee their accuracy. Readers assume full responsibility for any use made of the information contained herein. Throughout this magazine, trademark names are used. Rather than place a trademark symbol at every occurrence, we hereby state that we are using the names only in an editorial fashion with no intention of infringement of the trademark.