Oracle、「PeopleSoft CRM 9」をリリース
Oracleは、この数年間に買収したPeopleSoftなどの企業のアプリケーションのサポートを継続する姿勢だ。PeopleSoft CRM 9は金融サービス分野向けにデザインされ、Fusion Middlewareを利用する。
8月14日にPeopleSoft CRMアプリケーションのアップデート版をリリースしたOracleは、同社がこの数年間に買収したPeopleSoftなどの企業のアプリケーションや製品のサポートを今後も継続する姿勢を示している。
Oracleは2004年にPeopleSoftを買収した。その後、同社は、PeopleSoftなどのアプリケーションのサポートが中止されるのではという顧客の不安の解消に努めてきた。
Oracleはそういった不安を解消する手段の1つとして打ち出したのが、4月に開催された年次「Oracle Application User Group」カンファレンスで発表した「Application Unlimited」プログラムである。
Oracleはこのプログラムで、E-Business、PeopleSoft、JDE、Siebelの各アプリケーションのアップグレードを2013年以降も続けることを約束した。2013年というのは、同社が2005年にFusionのロードマップを発表した際に示したサポート終了期限である。Oracleの幹部によると、Application Unlimitedプログラムは顧客にアップグレードを強いるものではないという。
新しい「PeopleSoft CRM 9」アプリケーションは金融サービス分野向けにデザインされており、OracleのFusion Middlewareを利用する、と同社は説明している。
Fusion Middlewareは、PeopleTools 8.48開発スタックと組み合わせられている。OracleのXML Publisherとの連携を容易にするほか、サードパーティーアプリケーションとの連携が可能な拡張型Webサービスを実現する。さらにFusion Middlewareは、標準ベースのビジネスプロセスに組み込むことも可能だという。
PeopleSoft CRM 9では、OracleのBPEL(Business Process Execution Language)Process Manager、Database 10gおよびOracle Application Server 10g Certificationを利用することもできる。
Oracleは、自社のコアCRMスイート、そして従来のアプリケーションリリースの金融サービス機能をベースとして、その上にFinancial Account Creationのサンプルプロセス、Lead and Referral Management、Web Services for Remote Portalsといった機能を追加した。同社によると、Web Services for Remote Portalsでは、広範なサードパーティのポータル製品内でCRM 9を表示させることが可能だという。
Oracleは、CRM 9の操作を簡素化すべく、クリック数やページ移動の回数を減らした。そのほかの機能強化としては、作業リストに顧客の総合的データを表示する機能、最近の検索内容の自動保存、頻繁に入力する文字をホットキーで自動入力する機能、Order Capture用のバルクサービス管理、スケジューラの改善、リードインポート機能のパフォーマンスの改善、IMS(Intellisync Mobile Suite)アーキテクチャに対応したモバイル営業機能などがある。
Oracleによると、PeopleSoft CRM 9は既に利用可能だという。
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