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平井たくやIT担当大臣政務官に聞く―「今こそ必要な選択と集中、不要不急システムは予算を認めず」:崖っぷち!電子政府〜迷走する4500億円プロジェクトの行方・第6回(最終回)(2/2 ページ)
政府が今年1月に発表した「IT新改革戦略」の策定を、内閣府・IT担当大臣政務官として指揮したのが平井たくや衆議院議員だ。「電子政府は単なる行政事務の電子化ではなく、新たな政府をつくる社会革命」と語る平井氏に、今後の方向性を聞いた。
IT時代の民主主義とは…
――電子政府は国民の関心も高いとは言えません。今後をどう展望していますか。
平井 官僚の多くは、現行の政府の電子化が電子政府だと思っている。私はITガバナンスによる、まったく新しい政府をつくろうと考えていて、その溝は容易に埋まりません。住基カードも国民背番号制などといわれ、評判悪いですが、米軍施設への入出管理とか、病院や温泉の予約認証など、実用性のあるところでは普及しているのです。
世界をフラット化していくITという魔法は、白魔術にも黒魔術にもなり得る二面性を併せ持っており、大事なのはその効果を見極めることです。ITは行政のみならず、あまねく社会の構造改革を実現する可能性を秘めている。その構造改革力を活用することが、21世紀の民主主義だと訴えていくべきだと思います。
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