VistaはMSDEをサポートせず――影響するシステム数は膨大に?(2/2 ページ)
デスクトップデータベース技術のMSDE 1.0および2000が、Windows VistaとLonghorn Serverではサポートされないことになった。この影響を受けるアプリケーションの数は多いことが予想され、後継版への移行は厄介な作業になるかもしれない。
Microsoftを含む多くのソフトウェアベンダーがアプリケーションにMSDEを組み込んでいる。こうしたベンダーは、それらのアプリケーションをVistaやLonghorn Serverに対応させるためには、MSDEではなくSQL Server 2005 Express Editionを使用するようにそれらのアプリケーションを変更しなければならない。Microsoftは自社のアプリケーション用にパッチを提供するとしているが、パッチが必要になるアプリケーションを網羅したリストをまだ用意していない。
VistaやLonghorn Serverにアップグレードしたいと考えるITマネジャーは、MSDEや、MSDEに依存するアプリケーションが導入されたコンピュータをあらかじめすべて特定しなければならない。2003年にSQL Slammerワーム(SQL ServerとMSDEを標的としていた)が発生した際に明らかになったように、そうしたシステムは膨大な数に上る可能性がある。多くのユーザーは、AccessやVisioの一部の場合などアプリケーションの多くや、各種の開発ツールとともにMSDEがインストールされる可能性があることを認識していなかった。Microsoftは、MSDEのインスタンスを特定するための専用ツールを提供していないが、Baseline Security Analyzerなど多くのセキュリティツールが、影響のあるシステムの特定に利用できる。
MSDEをSQL Server 2005 Expressにアップグレードすることは可能だが、そのプロセスは複雑であり、Systems Management Server(SMS)などのツールを使っても、自動化するのは難しい。また、MSDEを使用するアプリケーションも、この古いエンジンではなく新しいエンジンを使用するようにアップデートする必要がある。社内で開発したアプリケーションの場合は、ITマネジャーは直接アップデートできるが、Microsoftや他社のアプリケーションの場合は、ベンダーに連絡して必要なパッチを入手しなければならない。
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