戦う管理者が見せる“ふとしたしぐさ”:女性システム管理者の憂鬱(4/4 ページ)
システム管理者が頭を悩ます突発的なトラブルといえば、ウイルスの発生だろう。ウイルス対策ベンダーの対応がまだ決まっていないような新種ウイルスがまん延してしまったら。さあ戦いだ。
しかし、いま振り返ると、システム管理者としてウイルスに立ち向かっていたときは、不安や大変さを感じながらも、実は戦っているという確かな手ごたえを感じていた。ほかのシステム管理者と話すときも、自分がウイルス対応でどれだけ大変な思いをしたか、何時まで会社に残ったか、あるいは徹夜して翌日も何時まで対応したか、という武勇伝を喜々として話している自分に気が付く。
ウイルス発生との報に「今度はどんな障害が起こるのかという不安で押しつぶされそうになる半面、「今度は一体どんな目に遭ってしまうのだろう」と、その大変さを楽しんでいるような気もするのだ。
そんな感覚を持っているのはわたしだけだろうか。そう思っていたある日、統括の実質的な現場責任者であるA課長がネットワークの異常を知らせに来た。
A課長:「XXX番ポートへのトラフィックが異常です。たぶんウイルスですから、よろしく」
すきのないクールな対応で知られるA課長は、土日も緊急連絡用の携帯を肌身離さず持ち歩き、さまざまなシステムの障害に対応していた。「ウイルス発生といえば、わたしなんかよりこの人のほうが数段大変なんだろうな」。そんなことを考えながら、ウイルス対策ベンダーへ連絡しようと受話器を持ち上げた瞬間、ニヒルなその彼が一瞬スキップをしたところをわたしは見逃さなかった。
大変な仕事ほど「やってやろう!」という気持ちがわき上がってくる、戦う管理者が世の中には結構存在しているようである。
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