特集
SOAの難しい課題を解決するポイント:動き出したSOAのいま(3/5 ページ)
前回は「SOAの可能性」について述べた。しかし、実際に導入検討を行う場合には必ず課題が出てくるもの。そこで、どのような課題あるのか、そして、採るべき方策は何かについて考えてみよう。
ミドルアウト型アプローチの留意点
ミドルアウト型のアプローチでサービスを抽出する際には、以下の点に注意することを推奨する。
- 業務上の重要性が高い
- 利用頻度が高い
- 使用ユーザーが多い
- 変化の頻度が高い
- 複数のシステムで使用されている
また、以下のような、サービス化に向いていないシステムやアプリケーションを無理にサービス化しないことも重要となる。
- ほかのシステムとの関係がなく単一のシステム内のみで利用されているプロセス:これは、将来的にも単一システムのみで利用されている場合はサービス化するメリットはない。
- 非常に高いパフォーマンスを要求されるプロセス:SOAはサービス間を疎結合とするために、サービス間での転送は非同期通信を採用する。そのためにサービス間でのデータの受け渡しにオーバーヘッドが発生する。
- 一括大量のバッチ処理:サービス化するとは、固有のプロトコルを標準のプロトコルに変換して接続することであるので、単一のフォーマットやコードの変換を一度に大量に行うような処理には向かない。
ステップ2:サービス要件の定義と管理体制の確立
サービスは複数のプロセスからの利用を前提とするので、変更の手続きを明確にしておかないと障害が発生してしまう可能性がある。また、サービスは再利用を前提とするため、カタログ化とカタログの更新に関する責任と手続きを明確化しておくことも重要となる。SOAの実践において、技術の実装は1つのステップにすぎず、注力すべきはライフサイクルにわたってサービスを管理維持していくためのルールと体制の構築である。
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