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目新しさに欠けるGoogle Code Search(2/2 ページ)

Googleが公開したGoogle Code SearchはGoogleにすると“新機能”ではあるが、実のところこうしたコード検索は、そのほかの検索サイトにおいて何年も前から実現されている機能なことは知っているだろうか。

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 現状のGoogleは、開発者たちが検索エンジンに何を求めているかを見極めようとしている段階にあるようだが、Krugleのスタッフによると、そのようなものは既に確認済みとのことになる。以前に同社が行った調査によると、開発者たちの費やす作業時間の20から25%は、過去に誰かが同様の問題に遭遇したケースはないか、そしてうまくすればその解決法が存在しないかを探すことで占められているという。そしてこうした作業は、その性質上、主として既知の情報源を検索することになる。「こうした調査の場合、最初は解決法の候補を洗い出すための検索を行い、そうして見つかった候補を基に次の検索を行うというのが常套手段です。必要となるのはプロジェクトの詳細を調べることですが、見つかった関連ドキュメントを表示させる機能も必要ですね」とメルリング氏は語る。

 Krugleの検索サイトには、こうした要件に応えるべく、必要な情報を開発者間で共有して作業のコラボレーション化を進めるための機能が組み込まれている。「Krugleのユーザーはタイプの異なる複数の情報(コード本体および関連するドキュメントやフォーラムでの意見交換など)を1つの結果として作成、保存、共有することができます。またKrugleでは、コードファイル、テクニカルページ、プロジェクトに“ノート”という形で注釈をつけることも可能です。これはユーザー間で、アイデア、コメント、関連知識を共有する目的で使用できます。コード検索の分野で次に重要視されるのは、こうしたコラボレーションや意見交換のための機能になるというのがわたしどもの考えです」。

 一方の雄であるKodersが得た結論は、開発者が求める情報にたどり着くには基本機能以上の検索能力が必要になる、という判断だ。「オープンソース系のコードに対する検索はもとより、プロフェッショナルな開発者が必要としているのは、企業が所有している膨大な量の高品質コードへのアクセスです。企業の所有コードへのアクセスと、IDEとのシームレスな統合は、コード検索における二大市場だといえるでしょう」とラッシュ氏は語る。

 ラッシュ氏には、これからコード検索の分野に参入するGoogleに対して、1つのアドバイスがあるという。「この分野への新規参入者にわたしが与えられるアドバイスは、プログラムコードに特有の構造に注目する必要があるということです。その理由は、この種のコードのインデックス化と検索を行うアルゴリズムやツールには特殊な要件が求められるからであり、そうしたものはKodersが過去に開発して改良し続けてきたものにほかなりません」。

 Google Code Searchにさっそく寄せられたフィードバックを見てみると、一部の開発者は新機能にさほど感心していないようである。その中の1人、Simdiskの開発者であるクリント・タルバート氏のコメントでは、「これでヒットするコードは、通常のオンライン検索できるソースのものだけですね。例えば、わたしが以前に特殊なサイトでコード検索して見つけたセキュリティホールに関する情報などは、おそらくこのエンジンではインデックス化されていないでしょう」とされていた。同氏はそのほかにも、同ツールによる検索結果の表示法などは気に入っているとし、該当するコードを格納しているディレクトリをブラウジングする機能があれば便利になるだろうと指摘している。

 タルバート氏の意見によると「提供されている情報の99%は、おそらく有用なものでしょう。わたしにとっては常用するツールだとは思えませんが、Mozillaの場合この種の問題はlxr searchを使えばたいてい解決されますからね」ということになる。

 Googleが新たに提供を開始したのは、開発者が必要とする情報を迅速かつ効率的に入手するためのサポートサービスである。最も、同社がここ最近進めている各種新規分野への参入と同様、今回のケースにおいてもGoogle Code Searchが将来的なトレンドとなる可能性を示す明確な証拠を見つけ出せないのが実状だ。

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