高価ITツールを「持ち腐れ」させないっ!:BIソリューション活用術 第1回(2/2 ページ)
普及が進まないといわれるビジネス・インテリジェンス(BI)。だが、どうやら「導入」ではなく「活用」の段階に入るのが遅れているというのが本当のところのようだ。BIを活用するにはどうしたらいいのだろうか――。
ありとあらゆるデータが抽出できるということは、何でもできるということ。とすると、データを見る側はきちんとした目的を持って使わないと、数多くのデータのうちどれを見れば、あるいは使えばいいかが分からない。つまり、日々のさまざまなプロジェクトにおいて「仮説検証」することがないと、必要とするデータが明確にならないのである。そんな状況下でBIを導入しても、「宝の持ち腐れ」と化してしまう。
この点について、山本氏は「日本企業はそれ(仮説検証すること)に慣れてない」という問題を指摘する。「その証拠として、日本製のOLAPツールはない。ニーズのないところにモノはできないということだ」(山本氏)。
確かに、OLAPツールの主力ベンダーは大半が米企業だ。恐らく、唯一の国産ベンダーともいえるのが、ウイングアークテクノロジーズだろう。ただ、業界では同社の製品はOLAP機能よりもレポーティング機能に比重を置いているといわれている。
せっかく導入した高価なBIを腐らせてしまうのはなんとももったいない。どうやら、その投資対効果を引き出すためには、「仮説検証」する習慣を身に付けることが必要なようだ。さもなければ、一刻も早い国産OLAPツールの誕生を待ちわびる――そんな毎日を送ることになるのかも……(「月刊アイティセレクト」11月号の特別企画「追求! BIソリューション活用術 近道は『まず使ってみる』こと」より。ウェブ用に再編集した)。
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