Dell初のAMD Opteronサーバ、Oracle OpenWorldでデビュー:Oracle OpenWorld San Francisco 2006 Report(1/2 ページ)
「Oracle OpenWorld San Francisco 2006」の実質的な初日は、「AMD+Dell」デーとなった。両社はモスコーニセンターでDell初となるAMD Opteronサーバを正式発表した。
朝夕の冷え込みはサンフランシスコの名物だ。街がすっぽりと霧に包まれることも珍しくない。まだ吐く息が白い早朝から、多くの参加者がモスコーニセンターに急ぐ。
米国時間10月23日、実質的な初日を迎えた「Oracle OpenWorld San Francisco 2006」は、AMDのスポンサーキーノートで幕を開けた。同社は今回、唯一の「マーキー」(Marquee:看板)スポンサーとして参加、Hewlett-PackardやSun Microsystems、Dellなどの常連を抑え、今回のカンファレンスの最大スポンサーとなっている。
「5年前は半導体業界は低迷していた。景気後退のあおりも受けたが、“選択肢”がなかったことも原因だった」と話すのはAMDのヘクター・ルイズ会長兼CEO。
「顧客らは、64ビットのパワーを求めていたが、32ビットの既存資産も使い続け、いつでも好きなときにシームレスに移行したいと考えていた。また、データセンターでは消費電力効率の優れたソリューションが求められていたが、スケーラビリティーやパフォーマンスは犠牲にしたくなかった」(ルイズ氏)
顧客らからこうした声を聞いたAMDは2003年、真の選択肢を提供すべく、AMD64テクノロジーをベースとしたOpteronプロセッサを市場に投入した。
「今日、ITの専門家らはかつてない真の選択肢が与えられている。真の選択肢は、顧客に利益をもたらす。なぜらなら選択肢があることで競争が起こり、競争はイノベーションを加速するからだ」とルイズ氏。
AMDがOpteronプロセットを市場に投入した同じ年、Oracleはローコストなx86サーバを並列化し、スケーラビリティーやパフォーマンス、そして高い可用性を実現するグリッド技術を披露している。
ルイズ氏からステージに招き上げられたOracleのユルゲン・ロトラー カスタマーサービス担当執行副社長は、「顧客らは、さらなるスケーラビリティーとパフォーマンス、高い可用性と信頼性、そしてTCO低減も同時に求めている。われわれは、選択肢を彼らに提供すべく、AMDと提携し、OracleをOpteronプロセッサに最適化した。Opteronはハイエンドプロセシングのニーズにこたえるものだ」と話した。
ロトラー氏はOracle OnDemand事業も担当している。その拠点でもあるテキサス州オースチンのデータセンターは、世界最大のLinuxグリッドを構築し、500社以上の顧客にサービスを提供している。もちろん、電力消費も大きな課題となっている。
「AMD64テクノロジーは、データセンターの効率的な運用を可能とし、さらなる処理能力の要求にもこたえられるようにしてくれる」とロットラー氏は話す。
デル氏が飛び入り
AMD Opteronは先ず、HPC(High Perofrmance Computing)市場において成功を収めた。同市場においてx86サーバの地位を確かなものにしたのは、Opteronだと言っていい。そのパフォーマンスもさることながら、省電力機能でIntelに先んじ、高密度を実現するには有利だったからだ。AMDは、IBMを筆頭に世界のPCベンダーをパートナーとして獲得することに成功した。
「IBM、HP、Sun……」(ルイズ氏)
ルイズ氏がパートナーを紹介していると、「おいおい、どこか忘れてないか」とDellのマイケル・デル会長がステージに姿を現した。Dellのスポンサーキーノートは午後に予定されていたが、彼の飛び入りに会場は大いに沸いた。
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