開発者にとって待ちに待ったときがきた。Microsoftは11月16日夜遅く、開発者向けWebサイト上でVistaを公開した。このソフトウェアは即日、MSDNの会員が利用できるようになった。またMicrosoftは先週、Office 2007も公開した。
両製品が企業向けに正式リリースされるよりも2週間近く前に開発者に公開されることは、アプリケーションのアップデート準備を進めているパートナーや、本格的な配備テストを開始している顧客にとって極めて重要なことである。先週、MSDNサイトに掲載された通知では、Windows Vistaは11月17日まで提供されないことをMicrosoftは示唆していた。
開発者がアクセスできるWindows Vistaダウンロードパッケージは、32ビット版と64ビット版に分けられている。各ダウンロードパッケージには、7種類のWindows Vistaバージョンが含まれている――「Starter」「Home Basic」「Home Premium」「Ultimate」「Business」、そしてMicrosoftと敵対する欧州当局の独禁法裁定で義務付けられた「Home N」と「Business N」である。もう1つのバージョンである「Windows Vista Enterprise」は、Microsoftのボリュームライセンス会員にのみ提供される。開発者は両「N」バージョンもダウンロードできるが、Microsoftはこれらのソフトウェアをインストール/アクティベートするためのプロダクトキーをまだリリースしていない。
OSの配布方式も変更され、単一のISOイメージの形式で提供される。Windows Vistaでは「Windows Anytime Upgrade」と呼ばれる方式も導入された。これは、ユーザーがライセンスキーを購入すれば別バージョンにアップグレードできるというもの。例えば、Windows Vista Home Basicを利用している小規模企業は、新しいDVDを入手しなくてもWindows Vista Businessへのアップグレードを購入することができる。配布メディアの種類も従来のCDからDVDに変更された。
開発者は11月12日からOffice 2007 Professionalにアクセスできるようになった。またMicrosoftは先週、Groove、InfoPath、Project、Visioの各新バージョンもリリースした。11月17日の時点で、Office System製品は英語、ドイツ語、日本語の各バージョンが提供されているが、Windows Vistaは英語版のみの提供となっている(関連記事)。
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