システム管理者への“小さな嫌がらせ”:女性システム管理者の憂鬱(4/4 ページ)
システム管理者というのは総務部門との連携仕事が多い。サーバの入れ替え、フロアのレイアウト変更、オフィスの移転作業――どれも事前の準備が多く、早めに段取りを組む必要があるものばかりだ。
「カラープリンタの使い方を教えてください」
法人営業部所属の女性社員からの問い合わせだった。あそこにカラーなんてあったかな、そう思いながら、総務とは異なるフロアにあった法人営業の部屋に入ると、そこに見慣れない大型プリンタが鎮座していた。入口近くに設置されたそのプリンタはカラーコピーとの複合機のようで、LANのポートも何もないところにポツンと置かれ、電源だけが入れられていた。
わたし:「これは一体!?」
驚くわたしに法人営業課長が得意気に声をかけてきた。
法人課長:「今ね、入れてもらったの。法人営業の予算が余ったからうちの部署専用として使おうと思って。いいでしょう。FAXとしても使えるし、スキャンした画像をみんなで共有もできるんだ。だけど、誰がやってもPCからつながらないのよ。どうやって使うのか、みんなに教えてやって」
この課長は、プリンタは電源を入れればPCとつながるものと本気で信じていたようだった。総務が購入したプリンタと同じメーカーだったならば、事前に営業担当から情報が入ってきただろうが、残念ながらそのプリンタは別のメーカー製だった。
わたし:「電源入れて使えるのはコピーぐらいなもんです。プリンタとして使うには、まずはLANケーブルを引っ張ってこないと・・・・・・」
法人課長:「PCでもないのに? へー、そうなの。ともかく、早く使えるようにしといてよ。せっかく買ったんだから使わないともったいないでしょう」
鼻歌を奏でながら去っていく課長を呆然と見送るわたしの脳裏に、先日の総務とのプリンタ騒動が浮かぶ。LANケーブルとIPアドレスが必要なことが分かっていただけでも、ありがたかったと。
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