「無意味だ」と言いながら、どうして会議の改善をしないのか:企業にはびこる間違いだらけのIT経営:第18回(2/2 ページ)
社内の会議で「やっても意味がない」と思われるものが多数ある。無駄な会議がない会社はないといってもいい。無駄な会議を減らす策とは?
セレモニー会議の不毛と主旨明確化の必要性
(4)も曲者である。この目的を達するには確かに会議形式がよいが、主旨が曖昧で不徹底なら無意味な会議になる。例えば筆者の経験で、過去の重大事故の反省をする品質会議が(4)に相当した。しかし本来の会議の主旨である自部門の事故を徹底的に反省することや、他部門の事故を他山の石とすることが忘れられ、社内では「あの会議はセレモニーだ」などと言われた。加えて、「この会議に出席する者は、カラーシャツはまかりならぬ。白ワイシャツを着用のこと」というお達しが出るに至っては笑止千万、会議をますますセレモニー化した。そんな会議は止めるべきだ。この種の会議を開くなら、出席者に主旨を充分徹底し(「教育のため」、「啓蒙のため」などと単にお題目を唱えても駄目だ。主旨を判り易く噛み砕いて、何度も何度もくどいくらい周知徹底しなければならない。
幹部は社員が主旨を知っていると思い込んでいるが、彼らは全く理解していない。かなりレベルの高い企業でも、経験上そう言える)、形式を排除して、実のある会議運営をしなければならない。
割り切る会議と不可欠な会議の区別
(5)、(6)は、会議として欠くことができないだろう。しかし、無駄な会議もある。例えば「開発会議」と称して新製品の開発計画を議論する極めて重要な会議を、「あれはトップと幹部の勉強会だ」などと噂されている例がある。事実幹部の「ご指摘」は、いつもあまり役に立たない。むしろ開発をディスターブされることが多い。それならば、それはそれで「勉強会」、あるいは「開発費をもらうための説明会」と割り切ればよい。
ただ、通常会議を開催するとき習慣で2時間を設定するが、1時間で充分である。筆者は、ある時から自分の主催する会議をすべて1時間に設定した。すると長引いても1.5時間で終わり、やがて1時間で終わるようになった。もちろんそのための準備と議長のテキパキとした采配が必須だ。時間内に終わらないときは、後日再開催するにしてもとにかく一旦終了するのがよい。
以上をまとめると、有無を言わさず会議数を30%減らす。そして残りの会議時間を半減する勇断を下す。その実行には、トップや当事者が深刻な問題意識と覚悟を持ち、強力なリーダーシップを発揮することが必須である。トップダウンが期待できないなら、せめて自分の影響が及ぶグループ、あるいは自分が主催する会議から始めよう。
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