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IT/IS部門のアウトソーシングは最適な選択肢か?システムマネジメント最前線(2/2 ページ)

ITベンダーを除くほとんどの業種の企業にとって、IT/IS部門はいわゆる“本業”ではない。そのためにIT/IS部門のアウトソーシングは、多くの企業にとって魅力のある選択肢になっている。だが、何をアウトソーシングすべきかは、企業が見極めて判断する必要がある。

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最適なアウトソーサー選びのヒント

 IT/IS部門を強化するにあたって考えるべきことは、特定のベンダーに依存する体質から脱却し、より汎用性の高いシステムへと徐々に切り替えていくという点である。最近では、ハードウェアベンダー系のアウトソーサーでも、オープンあるいは業界標準のアーキテクチャを前面に掲げていることが多い。しかし一方で、ハードウェアベンダーは、顧客企業のアウトソーシングが進むことに対し、危惧する部分もある。それは、自社のサーバコンピュータやストレージが売れなくなる、という点だ。そのため、ハードウェアベンダー系のアウトソーサーの場合、どうしても製品販売と結びつくようなアウトソーシングの提案が多くなる。もちろん、その提案が最適解になる場合も少なくないが、特定ベンダーに依存する場合は、それなりの覚悟が必要になる。

 ベンダー依存が適しているアウトソーシングもある。例えば、システムのデータベースにOracle Databaseを採用しているとしよう。このデータベースシステムを堅牢かつ安定して運用するには、その製品ベンダーであるオラクルに運用管理を任せてしまうという方法だ(オラクルの運用管理サービスを「Oracle On Demand」という)。製品の保守サポートサービスの延長として運用管理までを担当するこうしたサービスは、オラクルに限らず、多くのベンダーから今後登場してくるだろう。

 また、ハードウェアベンダーではない中立的なアウトソーサーの場合は、技術力の見極めとアウトソーサーの企業規模が鍵になる。いくらベンダー依存がなく、オープンなアーキテクチャを採用しようとも、技術力が乏しければ、満足なシステム構築も運用も難しい。また、企業にとって重要なIT/IS部門をアウトソーシングするわけだから、アウトソーサーに簡単に潰れられては困ってしまう。このため、アウトソーサーは、自社のシステムを預けても大丈夫だと判断できる企業規模の事業者が望ましいだろう。

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