FOSSプログラマーを統率する7つのヒント:マネジャーの教科書(4/4 ページ)
マネジメント手法に関する書籍でコンピュータプログラマーを統率する方法について述べたものはめったにない。プログラマーの統率は企業の本流から離れた仕事であり、一筋縄ではいかないものである。ここでは、オープンソースソフトウェアのプログラマーを統率する7つのヒントを教授する。
ギークの価値観よりも会社の価値観を優先すべき場合を学ぶ
ビジネスには興味がないためか、多くの開発者は納期など必要不可欠なものを疎かにしがちである。彼らにはそうした不可欠な要素をうやむやにしてしまう術を身に付けている者が多い。問題は、大半の開発者が自ら責任を持って仕事をするとは信じてもらえなくなることではなく、むしろ、彼らであればスケジュールの許す限りだらだらと時間をつぶすのが当然だと思われかねないことである。そうした場合は、ギークたちの巧みなマネジメントとは彼らの文化の理解を意味することだとは言うものの、企業の目標達成に重点を移すべき時期を見極めることの方が重要になる。ときには、例え彼らから反感を買うことになっても、理解を示すことよりも差し迫った要件を優先させる必要があるのだ。熟練したマネジャーは、部下との衝突を最小限に抑えながらも、ある程度の衝突は避けられないことをよく心得ている。
まとめ
プログラマー、とりわけFOSSプログラマーのマネジメントは、すべてのマネジャーが挑まなければならない究極の綱渡りのようなものだ。マネジャーは IT部門の風土や部下たちとの仕事の進め方を理解する一方で、彼らのやり方と会社の方針との仲介役も果たさなければならない。こうした目標の両立は、マネジメントに対する自らの考え方を自部門に合わせて調整することを意味する。その調整は、あるときはプログラマーの意見をプログラマー以外の人々に分かりやすく伝えることであったり、全社目標を達成するために経営陣の誤解からプログラマーを守ることであったりする。またあるときには、もっと上位の全社目標をプログラマーたちに意識させることであったりもする。落ち着いて取り組みむのは難しい仕事だが、その立場に就いたときにどんなことが予想されるかを知っておけば、自らの失敗の後始末やチームからの協力不足に悩まされることなく、発生する難題により多くの時間を割くことができるだろう。
Bruce Byfield氏はセミナーのデザイナー兼インストラクターで、NewsForge、Linux.com、IT Manager's Journalに定期的に寄稿しているコンピュータジャーナリストでもある。
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