McAfee、セキュリティ製品アップグレードでマルウェアなど検知
McAfeeが企業向けのセキュリティソフトウェア最新版をリリースした。新バージョンでは、新しい挙動監視ツール、rootkit防御機能、NAC(ネットワークアクセス制御)のサポートなどが追加されている。
McAfeeは12月4日、大企業向けのセキュリティソフトウェアの最新版を発表した。新バージョンは、巧妙なマルウェアを防止するツールやNACシステムと連携するためのツールが追加されたものだ。
同社が発表した「McAfee Total Protection for Enterprise 2.0」は、大企業がrootkitなどの複雑で検出するのが難しい脅威に対処するための製品。パッケージには、「McAfee VirusScan Enterprise」「McAfee AntiSpyware Enterprise」「McAfee Policy Enforcer NAC」の各アップグレード版が含まれる。
McAfeeによると、VirusScan Enterprise 8.5iおよびAntiSpyware 8.5では、ウイルス、ワーム、スパイウェア、アドウェアに対する高度なアクティブ防御機能が強化された。AntiSpyware 8.5の新機能としては、不正なプログラムによる未知の変更や新たな変更を防止するために強化された挙動監視技術や、自身を偽装してユーザーのPC内に潜むrootkitなどの検出困難なマルウェア系プログラムを特定するウイルス検出ツールなどがある。悪質なプログラムがセキュリティアプリケーションを無効にするのを防ぐための自己防御機能も強化されたという。
カリフォルニア州サンタクララを本拠とするMcAfeeのシステムセキュリティ部門で、グループ製品マーケティングマネジャーを務めるケビン・ルブラン氏は、「従来のセキュリティ技術をすり抜け、デスクトップに大きな被害をもたらすrootkitなどのウイルスへの対処に苦労している企業の意見を反映させた」と話す。
「挙動監視ツールをさらに追加することにより、各種のセキュリティシステムの抜け穴を見つけようとする高度なマルウェアを企業ユーザーが検出・除去する能力を大幅に強化できるようにした」(ルブラン氏)
さらにMcAfeeは、同製品のNAC機能の拡張にも注力した。NAC機能に含まれるのは、同社の「Policy Enforcer」サーバ、「Policy Enforcer」センサー、「Policy Enforcer」スキャナーの各プログラムである。いずれも同社の管理ソフトウェア「ePolicy Orchestrator」と連携して機能する。McAfeeによると、これらのソフトウェアを一緒に使えば、ネットワークへの侵入およびウイルスの感染を防止するための一元的システムを構築できるという。
Policy Enforcer 2.0では、Ciscoの「Network Admission Control」技術のサポートも追加された。Network Admission Controlツールは、ネットワークインフラを利用してPC、サーバ、モバイルデバイスにセキュリティポリシーへの順守を強制し、セキュリティポリシーに準拠しないデバイスによるネットワークアクセスを制限する。
「企業は、ウイルス対策をホスト侵入防止システムおよびNACと一元的な形で連携するための方法を探し求めている」とルブラン氏は話す。
「彼らはウイルスが出現したときに、個別の管理コンソールで対処せざるを得ないのを不満に思っている。だからわれわれは、単一のインタフェースを備えた統合フォーマットにすべてを統合しようとしているのだ」(ルブラン氏)
パッケージに含まれる「McAfee SiteAdvisor Enterprise」は、企業がオンラインコンテンツへのアクセスをコントロールすることを可能にする。具体的には、特定のURLへのアクセスを禁止する機能や、Webページの総合セキュリティ判定に基づいて、赤/黄/緑で色分けされたグラフィカルな評価を各Webページ与えることによってWebサイトの安全度をユーザーに知らせる機能などを提供する。SiteAdvisor Enterpriseは、スパイウェアの感染、なしすまし詐欺、スパムメールを生成するWebサイトなどからユーザーを保護の機能も提供する。
McAfee Total Protection for Enterprise 2.0は、既に提供が開始されている。価格は、防御年数と防御対象サーバの台数によって異なる。
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