ユーザーを「認識」できるコンテンツ配信ソリューション――ジュニパー
ジュニパーネットワークスは、IPTVなど映像のブロードキャスト配信に有効な機能をルータなどの自社製品に実装することを明らかにした。
ジュニパーネットワークスは12月14日、IPTVなど映像のブロードキャスト配信に有効な機能をルータなどの自社製品に実装することを明らかにした。
主な機能強化は、サービスプロバイダー向けのコンテンツ配信のポリシー管理ソフト「SDX-300」において、APIを利用してユーザーごとに映像、音声といったサービス間で帯域をシェーピングする「Liquid LSP」を実装したことと、MPLSベースのマルチキャスト技術であるP2MP(Point to MultiPoint)の改良。
P2MP LSP(Label Switched Path)は、1対多のマルチキャストの接続形態でユニキャスト同様のトラフィックエンジニアリングを可能にする技術で、きめ細かなトラフィックエンジニアリングや帯域予約のできないIPマルチキャストの「弱点」を補うソリューション。ルータOS「JUNOS」のアップデートにより、パスの帯域に基づいて最適なルーティングを行うCSPF(Constrained Shortest Path Fast)機能をP2MP LSPに適用させることで、ネットワーク上でストリーミングに最も適したパスを自動的に選択できるようになり、通常のIPマルチキャストよりも効率的なネットワーク利用が実現する。
さらに、P2MP LSPは障害経路の迂回(うかい)パスを見つけるフェイルオーバーの機能があり、Liquid LSPを利用すると経路の切り替えにかかる時間が従来の4分の1に短縮されるという。
SDX-300のポリシーベースの帯域プロビジョニングと最適な経路選択により、VoD、IP電話、ゲームなどのIPマルチサービスにおいて、加入者ごとにサービスの優先順位に従った帯域コントロールが可能になる。同社IPTVソリューション担当GMのゲーリー・サウスウェル氏は「通常のベストエフォート型サービスとは異なり、われわれのソリューションは、各サービスで一貫した品質をユーザーに提供できる。一方ユーザー側は、欲しいサービスだけにリソースを使うパーソナライズを行えばいい」と語った。
ジュニパーのルータやコンテンツ管理システムを導入した香港のPCCWは、高速インターネットサービスを生かして2003年よりIPTVを開始、2年間で55万人の加入者を増やしたという。
「これからのISPのマルチプレイでは、ユーザーのニーズに沿ってQoSをコントロールするようになる。サービス業者のネットワークは、ユーザーを“認識”できるものでなければならない」(サウスウェル氏)
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