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涙あふれる 管理者デビューした“あの日”女性システム管理者の憂鬱(2/4 ページ)

システム管理者は誰もが皆、自分が一番ついていないと思っているようだ。わたしの場合、どんな簡単なイベントでも自分だけはなにか途轍もないトラブルに見舞われるはずだ、と最初からあきらめている。

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わたし:「初めまして、お世話になります」

総務担当:「よろしくお願いします。急なことですいませんね。そういえば、Aさん今日も体調不良で遅れていらっしゃると先ほど電話がありました」

わたし:「あ、そうなんですか」

などと会話しているところへ、その会社の制服を着た女性が近寄ってきた。

女性:「すいません、Aさんの後任の方ですか?」

わたし:「はい、そうです。よろしくお願いします」

女性:「あの、××支店がつながらないんですが」

わたし:「××支店? ネットワークのことですか?」

女性:「いえ、××支店です」

総務担当:「え? ほんと? それはまずいなあ。見てもらえますか?」

 わたしはまだかばんを肩から下げたままだった。自分の机もPCも与えられていない状態で、いきなりサポート依頼を受けるとは。それに××支店とは何だ? パニックになりかけているわたしを尻目に、総務担当者はずんずんと歩いていく。「きっとサーバ室へ案内しようとしているのだろう」と仕方なく、わたしも後を追う。しかし、連れて行かれた先は、社員席のすぐ脇をパーテーションで区切っただけの薄暗いコーナーだった。

 そこには、チカチカとランプが光るスイッチ群がラックにびっしりと押し込められ、そこからおびただしい数のLANケーブルが床下へと吸い込まれていた。そのラックの横には事務机が2つ角を合わせて置かれ、種類の異なるCRTモニタが複数台並べられていた。机の下には6台ほどのタワー型サーバがぎっちりと詰め込まれ、それぞれにIPアドレスとサーバ名が印字されたシールが貼り付けられていた。しかし、どこにも××支店という名は見当たらない。

わたし:「あの、××支店ってなんでしょうか?」

総務担当:「あれ? 昨日聞いてないんですか?」

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