KDDIは1月16日、春商戦向けau新端末の10機種を発表した。従来の音楽機能のさらなる向上のほか、ワンセグ対応端末を7機種展開するなど、映像機能にも重点を置いた商品を投入する。春モデル全体では、すでに発表済みのものも含め14機種(うちワンセグ端末8機種)となる。
発表の冒頭で小野寺正 代表取締役社長兼会長は、2006年12月末までにワンセグ対応端末の契約台数が147万台になったと発表。春モデルでは、メインディスプレイに世界で初めて有機ELを採用した「MEDIA SKIN」や、液晶ハイビジョンテレビにも採用されている高視野角や高コントラストが特徴のIPS液晶技術を用いた「W51H」「W51SA」「W51CA」、AQUOSケータイでおなじみの「W51SH」などを投入する。
春商戦の商品戦略は、「心地よさをもたらすケータイ」をテーマに映像や音楽機能のさらなる向上と、デザインや質感を訴求する。au企画本部の井上正廣 本部長は、「番号ポータビリティ(MNP)では順調な滑り出しを見せており、映像と音楽の両面からユーザー満足度をさらに高めていく」と述べた。
目玉機種となるMEDIA SKINは、デザイナーの吉岡徳仁氏が2005年に発表したコンセプトモデルをベースに商品化した。メインディスプレイには、色再現性がNTSC比で107%広く、PDPやブラウン管並みのコントラスト比10000:1を実現した26万色有機ELを、世界で初めて搭載する。
デザインコンセプトについて吉岡氏は、「新しい触感と映像、音楽が目を閉じても感じられるデザインを目指した」と説明した。また、有機ELの採用について井上本部長は「先日のCESでは有機ELテレビの商品化が発表されるなど、画面の焼き付きやパネル寿命といった従来からの問題点が改善され、携帯電話に採用できるレベルになった」という。
音楽機能では、歌詞やアーティスト名などの一部分から知りたい楽曲を検索できる新サービスと従来の検索機能を統合し、「LISMO Music Search」として2月上旬からサービスを開始する。このほか、「PCサイトビューアー」の機能拡張も行い、Flash再生やタブブラウジング、ファイルのダウンロード/アップロードなども行えるようになった。
発表後、小野寺会長は、MNP契約者の獲得施策についての質問に「すでにMNPはユーザーにとって標準のサービスであり、これに特化した戦略は全く考えていない。今回の映像機能のように顧客満足度を常に高める戦略を継続していく」と話し、今後の純増数拡大への意欲を示した。
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