インテル、クアッドコアと仮想化の高い親和性をアピール
インテルは、クアッドコアのXeonプロセッサ5300番台とVMwareの仮想化ソフトウェアを組み合わせた事例を紹介し、仮想化と親和性の高い同社のクアッドコアプロセッサを売り込んだ。
インテルは2月22日、都内でプレス向けのブリーフィングを行い、クアッドコアのXeonプロセッサ5300番台とVMwareの仮想化ソフトウェアを組み合わせた事例を紹介し、仮想化と親和性の高い同社のクアッドコアプロセッサやプラットフォームを売り込んだ。
仮想化技術を活用してサーバ統合する際には、1台のサーバでどれだけ多くの仮想マシン(VM)を集約できるかが、費用対効果を高めるカギとなる。
「パフォーマンス、メモリ、I/Oのヘッドルームに余裕があり、さらにインテル・バーチャライゼーション・テクノロジー(VT)が組み込まれたクアッドコアXeonは、仮想化との親和性が高い」と話すのは、インテルのマーケティング本部デジタルエンタープライズグループでテクニカルマーケティングエンジニアを務める岩本成文氏。
Xeon 5300番台は、インテルアーキテクチャー同社初のクアッドコアプロセッサ。1つのパッケージにデュアルコア構成のダイを2つ載せることでコアを4つに増やし、消費電力はデュアルコアXeon 5100番台とほぼ同等に抑えながら、性能をさらに1.5倍に引き上げている。
Xeon 5100番台のソケットやチップセットがそのまま利用できるのもクアッドコアXeonの大きな特徴。消費電力も同じに抑えられているため、BIOSの変更などは伴うものの、プロセッサを差し替えるだけで50%の性能向上が実現できるというわけだ。
「企業は、安定したライフサイクルの長いプラットフォームを求めている。Xeonであれば、比較的価格の安い2ソケットのサーバで長期に利用でき、投資も保護できる」(岩本氏)
クアッドコアで4倍のコストパフォーマンス
今回インテルが紹介したのは、IMJネットワークによる検証結果だ。同社は、VMware ESX Serverを活用したホスティングサービスを2004年から提供しており、顧客は約100社に上る。
サービス開始当初は、サーバを集約化したとき、メモリがボトルネックになると想定していたが、VMware ESX Serverの場合、物理的な1CPU当たり8個のゲストOSが限界となることが分かったという。
「4ソケットのサーバでも(シングルコアXeonの場合は)32のゲストOSが限界。1台のサーバにどれだけのVMを集約できるかがコストパフォーマンスのカギとなるが、実際にはCPU性能がボトルネックとなってしまった」と話すのはIMJネットワークの山田敏博社長。
同社でクアッドコアXeon 5300番台の2ソケットサーバとVMware ESX Serverを組み合わせた集約化検証を実施したところ、シングルコアXeonの4ソケットサーバと比較してCPUのキャパシティは3.67倍になったという。
「最大利用時のキャパシティに置き換えても、最大64のゲストOSを集約でき、キャパシティは2倍、ライセンスおよびサーバのコストは約1/2となり、4倍のコストパフォーマンスが実現できる」と山田氏。
山田氏は、I/O性能などのようにCPU以外のボトルネックに課題が残っていたり、集約化によるリスクの増大などを指摘するものの、「マルチコア化が進むにつれて、集約化のコストパフォーマンスはさらに高まる」と話す。
なお、インテルでは、I/Oの仮想化を含む包括的なVTのロードマップを示している。
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