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難しきは「社内調整」:女性システム管理者の憂鬱(4/4 ページ)
システム管理者の仕事の最も大変な作業は「社内調整」と言えるかもしれない。何かトラブルが起こっても責任の所在が明らかになるまでは誰も動かない。巻き込まれたのが役員でなければの話だが。
無力さを感じる瞬間
それからの対応は信じられないほど早かった。まずは緊急の会議が招集され、通常ならそんなところに顔も出さないようなマネジャーのお歴々が顔をそろえる。その場では、ADチームから今回の事象の報告と要因となった現在の設計、改善策が提示された。
会議が終了するとすぐに、今度はコンピュータアカウントに対する設定変更作業の申請書が提出されたが、承認が必要な10人もの担当者印は、ほんの数分のうちにペタペタと集まり、瞬く間に作業許可が下りてしまった。その夜の間に、設定変更のプログラム作成と検証作業が重ねられ、翌日の業務終了後にはすべての対応が完了しているという驚きの早業だった。
事の成り行きを傍観していたわたしは、それまで嫌と言うほど社内調整の難しさを体験してきただけに、今回の対応の早さに自分の無力さを見せつけられた思いだった。専務の登場ともなれば、誰しも何を差しおいても動かないわけにはいかないわけだ。やっぱり、思い通りに仕事をしたいのであれば、出世するしかないということか・・・・・・。
結局サラリーマンってこんなもんだよな。ヒラの女子社員がいくら頑張ったところでなかなか相手にしてもらえない、という現実になぜか、自分の存在がちっぽけに感じられ、その夜は浴びるほどやけ酒をあおってしまったのだった。
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