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MSが買収で獲得したVPN技術、アプライアンス製品となってOEMで提供へ(2/2 ページ)

MSが買収で獲得したVPN技術、アプライアンス製品となってOEMで提供へ

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提供形態はOEMアプライアンスのみ

 Microsoftは、これまでWhaleが製造していたハードウェアアプライアンス製品の販売は打ち切り、IAG 2007はOEMパートナー(現時点ではCelestix NetworksおよびNetwork Engines)を通じた販売のみとなることを発表した。Microsoftはセキュリティアプライアンス事業に参入するのではないかという憶測が流れていたが、これでその可能性はひとまず消えたことになる。

 また、IAG 2007 OEMアプライアンスでは、Whale社のe-Gapアプライアンス製品ラインで使われていたAirGapハードウェアテクノロジーが利用されない。AirGapは、2台のサーバと、これらのサーバを相互接続しデータを中継するSCSI接続型のプロプライエタリハードウェアスイッチで構成される。Whaleは、AirGapによってインターネット側のフロントエンドサーバがハッキングされた場合に、バックエンドサーバに被害が及ばないよう保護されるとしていたが、Microsoftによると、このような複雑なハードウェアアーキテクチャは、IAG 2007の目標とするセキュリティ要件を満たす上で必要ないという。

新しい価格およびライセンスモデルを設定

 IAG 2007は、これまでのWhaleやIAS Server 2006で適用されていた価格およびライセンスモデルではなく、新しいモデルの下で販売される。

 ISA Server 2006ソフトウェアは、ユーザーに直接販売される場合、プロセッサ単位で課金されている(Standard Editionが1500ドル、Enterprise Editionが6000ドル)。OEM販売される場合は、ISA Server OEMアプライアンスベンダーが、プロセッサ単位のライセンスコストを各製品の価格に織り込んでいた。しかし、IAG 2007アプライアンスでは、OEMパートナーがMicrosoftにCPU単位のIAS Serverライセンス料を支払わず、Windows Server 2003、ISA Server 2006 Standard Edition、IAG 2007ソフトウェアをまとめて一定のセット価格で買い上げるようになった。この変更で、IAG 2007アプライアンスの価格は、これに相当するIAS 2006アプライアンスや以前のWhale e-Gapアプライアンスよりも下がることになるが、喜んでばかりはいられない。リモートユーザーまたはデバイスごとにIAG 2007用のCALが必要になるのだ。IAG 2007 CALの1ライセンスあたりの小売価格は22ドルで、Open、Select、Enterpriseの各アグリーメントでは数量割引が適用される。つまり、数百〜数千のインターネットユーザーをサポートする必要がある規模の大きい組織では、Whale e-GapアプライアンスやISA Serverの基本的なリモートアクセス機能を利用していたときよりも、コスト高になる。

 Microsoftのアップグレードおよび保守プログラムであるソフトウェアアシュアランス(SA)は、IAG 2007 CALでは提供されるが、OEMサーバライセンスでは提供されない。このSA権では、リモートユーザーが、次世代のISA Serverソフトウェアまたはアプライアンス(Windows Longhorn Serverをプラットフォームとし、IAGテクノロジーとISA Serverを組み合わせた製品)を利用できるようになるアップグレード権が提供される。ただし、CALのSAでは、アプライアンスに搭載されたソフトウェアに対するアップグレード権は提供されない。アップグレード権が得られるかどうかは、特定のIAG 2007アプライアンスベンダーから別途購入した保守契約によって異なる。

 ビジネスパートナーや学生など、自社の従業員以外にVPNアクセスを提供する必要がある組織では、個別のCALではなく、サーバ単位で課金されるExternal Connectorライセンスを利用することもできるが、この価格は現時点では発表されていない。

 Whaleは、Intelligent Application OptimizersやNetwork Connectorsをはじめとして、Outlook Web Access、SharePoint、ロータスドミノ、SAP Enterprise Portalなどさまざまなアプリケーション用の接続およびセキュリティ機能の提供に必要なモジュールを追加で販売していた。新しいIAG 2007アプライアンスには、これらのソフトウェアコンポーネントの新バージョンが標準で搭載される。

 Microsoftは、現行のサービスおよびサポート契約を保持している既存のWhaleユーザー用にIAG 2007への移行パスを用意するとしているが、詳細については発表していない。保守契約を結んでいないユーザーは、新しいアプライアンスとCALを購入しなければならない。

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