Vistaから見るWeb2.0:Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ(2/2 ページ)
Windows Vistaの登場と前後して登場した“ガジェット”。デスクトップからさまざまな情報へアクセスできる魅力は、先の何へとつながって行くのだろうか。
今後はいっそう情報連携が重要となる
インターネット網が整備されて、誰もが簡単にネット接続できるようになった。そしてそれは、単にPCをつなぐだけでなく、さまざまな家電にも影響するようになった。その中で、旧態依然のように、ただ基本ソフト(OS)やアプリケーション(Office)などをバージョンアップすれば買ってくれるという時代は終焉してしまったのだ。
事実、Vista発売に対して、かつてWindows 95で味わったようなカタルシスは感じられなかった。いまや、OSのバージョンアップではユーザーは取り込めないのだ。そこで付加価値として、ガジェットが登場した背景があるはずだ。
そのガジェットも、JavaScriptとCSSが分かればよいという容易さをポイントとすることで、敷居はグッと低くなっている。これならば、Web構築経験があるユーザーであれば、あまり抵抗なく取り組めるに違いない。まずはLiveガジェットでその便利さ、簡単さに触れてもらい、次はVistaのサイドバーガジェットへの興味を持つ……。あるいは、サイドバーガジェットの方が先かもしれない。こちらはPC上にすべてのスクリプトがあるため、Excelマクロを編集する感覚で見栄えを変えてみることが可能だ。それが、マイクロソフトの狙いなのかどうか分からないが、あながち間違ってはいないと思う。
前述したAdobeの「Apollo」では、逆にJavaScriptによって扱える領域を増やし、利用層の増大を狙っているのだろう。ほかにも幾つか、ガジェット提供を行う企業が目立っているのが最近の情勢だ。
これらの差といえば、どれだけコンパクトで、どれだけ使い勝手がよく、そして目的のデータをシンプルに引き出せるのかが重要なポイントだ。そこさえ抑えておけば、ユーザーからすれば簡単に扱えるという理解につながるだろう。果たして、どのベンダーがガジェットキラーを牛耳っていくのか? 今後とも注視していきたい。
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