バッファローは、家屋の電力線でLANを実現する高速PLC(電力線通信)モデム「PL-HDP-L1」を4月上旬より発売する。松下電器産業の開発したHD-PLC方式を採用し、親機/子機のセットで2万1000円となる。
PLCモデムは、親機(マスター機)と子機(ターミナル機)で構成され、親機に子機を登録することで相互に通信できるようになる。バッファローから発売されるモデムは、親機と子機がセットになった「PL-HDP-L1/S」と、増設用の子機「PL-HDP-L1」(1万3600円)が用意されている。
PL-HDP-L1/Sでは、AES(Advanced Encryption Standard)形式のデータ暗号化セキュリティが設定済み。同じコンセントにつないでSETUPボタンを押すだけで16台までの子機の登録が可能で、同じHD-PLC方式を採用するパナソニックコミュニケーションズ「BL-PA100KT」やアイ・オー・データ機器「PLC-ET/M-S」と似通った仕様となっている。
同社が計測したモデム間の通信速度は、同一コンセントにつなぐと55Mbps、異なるフロア間では11.9Mbps。また、小型ACアダプタをつないだノイズフィルタ対応のOAタップを介して同じコンセントにつないだ場合、10.8Mbpsとなる。なお、子機を増設して複数の子機が同時に通信すると、速度が低下する。
同社では、ノイズフィルタ/雷サージに対応しているOAタップにつながないこと、携帯電話の充電器やヘアドライヤー、掃除機、調光機能付き照明器具、HD-PLC以外の方式のPLCモデムと併用しないことを推奨している。
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