Red HatがMicrosoftに似てきた?(2/2 ページ)
“オープンソースをベースとするビジネスをしているのであれば、恩を仇で返すようなまねをしてはならない”。マスリ氏は、自らのブログで強く訴えた。その内容とは。
ニューアード氏は、「Red Hatは『何としても利潤を追求する大企業的存在』というカテゴリーに正式に移行した。『オープンソースは金もうけになる』と標榜してきた企業とはそんなものだ」とブログ記事の最後に記している。
これとやや関連した問題に関して、Java開発ツールセット「MyEclipse」のメーカーであるGenuitecのマー・マスリCEOは、自身のブログの中でJBossを批判している。マスリ氏が問題にしているのは、TheServerSide.comのフォーラムで同氏が目の当たりにした行動だ。同氏によると、このフォーラムでJBossの開発者が寄ってたかってGenuitecを攻撃したという。この行動の背景には、「EclipseCon」カンファレンスにおいて、Red HatがExadelのJavaツールを管理し、それらをJBossの傘下に収めようとしているというニュースが流されたことがある。JBossの開発者たちは、これはGenuitecの仕業だと考えて、フォーラムでGenuitecを攻撃したようだ。
マスリ氏はブログ記事の最後に、「長い記事になったが、わたしの最終的な結論はこうだ――オープンソースをベースとするビジネスをしているのであれば、恩を仇で返すようなまねをするなということだ。また、自分のコードが他人に使われるのが嫌なのであれば、最初からオープンソースとして提供するなということだ」と記している。
コロラド州デンバーに本社を置き、最近廃業したオープンソースのコンサルティング会社であるVirtuas Open Source Solutionsの元CTO(最高技術責任者)、ビル・ダッドニー氏は、ブログ記事に次のように書いている。「HibernateはJBoss/Red Hatが商標として登録した。これは、わたしを含め、このフレームワークを学ぶのに長い時間を費やした何千人ものコンサルタントが、Hibernateサービスという宣伝文句を使って利益を得ることができないことを意味する。『ORマッピング』(オブジェクト/リレーショナルマッピング)サービスという表現を使うことはできるが、お金を持っている人はORマッピングという言葉を知らず、聞いたこともないような技術に関する知識に対してお金を払おうという人はいない」。
「HibernateビジネスからMyEclipseを排除しようとすることで、彼らはHibernateコミュニティーを傷つけているのだ。わたしの(以前の)会社が『Hibernate Services』と銘打ったサービスを提供するのを禁じることで、彼らはコミュニティーを傷つけたのだ。みんなで荷物をまとめて、よそに行こうではないか」とダッドニー氏は付け加えている。
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