Web収益の行方――プロからアマへのシフトにあるもの:Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ(3/3 ページ)
Webが一般化したことにより、コンテンツだけでなくアプリケーションにもボーダーレスの動きが顕著だ。最初は興味だけで最新の技術へ興味を持っても、それがどのように一般化していくかも予想しておくべきだろう。Liveの場合は?
ひとつは、Webにおけるプログラムの実行環境を提供すること。これはLive.comの役割であり、本稿では、「オンラインOS」という言葉でしばしば表現してきた。
もちろんLive.comというオンラインOS上で動作するプログラムがLiveガジェットだ。Liveガジェットは、ガジェットという名前のごとく、現在では、小さなウィンドウしかもたない。しかし今後、より大きなウィンドウをもち、少し大きめの実用的なアプリケーションが実行できるようになる可能性もあるだろう。
Windows Liveのもうひとつの役割は、地図サービス、連絡先サービスなどをはじめとする「Web API」の提供だ。これによって開発者は、マッシュアップできるようになる。
この2つの機能は、互いに独立したものであり、組み合わせるのも自由だが、組み合わせずに、既存のサイトに少しずつ組み込んでいくこともできる。
Windows Liveは、その名称がゆえに、「Windowsに特有のもの」とか「Live.comと連携してしか使えない」とか、下手すると、「.NET Frameworkが必要」といったように、誤解されがちだ。
しかし、「Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ」のさまざまな記事で述べてきたように、もちろん、これらはすべて誤りだ。Windows Liveを利用するのにあたって、Windowsでなければならないという制約はいっさいない。
マイクロソフトは、Windows Live戦略で、方針をかなりオープンにしている。
現実的に、既存のWebアプリケーションの多くは、LAMP(Linux+Apache+MySQL+PHPの略)の環境で実装されているだろう。Windows Liveで提供される機能は、これらのWebアプリケーションに取り込んでいくこともでき、親和性が高い。つまり、いまサーバがWindowsではないから、WebアプリケーションがASP.NETではないからといった理由で、Windows Liveを諦める必要はないのだ。
一方で、Live.comは公開されて間もないため、その知名度・浸透度は比較的低いものであり、ある意味、まだ序盤だとも言える。そしてまた、正式版ではないβ版のAPIも多く、実験的なサービスであるとも受け止められる。
しかしマイクロソフトは、各種コンテストを開催したり、開発者向けのドキュメントの整備、そして、何よりも、Windows Vistaにガジェット機能を搭載したこともあり、ガジェットに関連した技術に期待を込めていることがうかがえるのだ。
Windows Liveは、斬新的なサービスということもあり、これからどのような方向に向かうのかを予想するのは、極めて難しい。しかしLive.comは、未踏の領域であり、今から取り組んでおけば、まだLive.comで活躍できるチャンスが数多く残っていることだけは間違いないのだ。
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