建設資材から名刺、蛍光灯まで――購買支援企業が構築した「自己変革」システム:アイティセレクト特選事例:ディーコープ株式会社(2/2 ページ)
企業の購買プロセスを総合的に支援するというユニークなビジネスモデルで急成長しているディーコープは、2006年2月に、オンデマンドSFA/CRMサービスSalesforceを導入した。基幹システムとの連携を着実に進めており、業務の見える化のスピードが大幅にアップしている。
Salesforceを基幹システムと連携
導入後は各営業担当者の行動が可視化され、誰が何をしているのかが分かるようになった。ただ、同社ではSalesforceを会社が個人を管理するツールではなく、社員が自己管理するためのツールとして位置づけている。自分で気づき、自己変革を積極的に行っていく道具として考えているわけだ。
「過去の案件においてトップ営業マンがどんなアプローチをしているのかという行動パターンを見れば、自分の行動と照らし合わせて何かしらの気づきがあるはず。可視化されたことでマネジャーが楽になる部分もありますが、むしろ現場が自分の行動を変えるために使ってほしい」と鈴木氏。
可視化を進めるために、同社はさらにSalesforceの活用を進めている。06年5月に、ノーツを利用していた案件管理をSalesforceへと移行。もともとノーツをRDB化しようと模索したところで、約半年間、何も進んでいない状況だったが、Salesforceを活用することで2カ月で稼働できた。自社で開発を続けていたケースと比べると、開発期間は約5分の1で済む計算になるという。
鈴木氏は「Salesforceに移行当初は、以前のシステムでできていた細かな入力チェックができなかったのですが、新バージョンでその問題もクリアできました。このように困っていた点を、頻繁にバージョンアップして解決してくれるのも魅力ですね」と語る。
いまや基幹システムに
また、他のシステムともEAIツールで連携させて、情報を集約。例えば「見積@Dee」に入力された商談情報はSalesforceに流れ込み、さらにSalesforce上の計上データはERPシステムへ反映される。さらに現在は、ERPの情報をSalesforceに反映させる逆の流れの連携を作っているところだとか。最も使い勝手のいい便利なツールで他のシステムの情報を閲覧することができれば、業務効率はさらにアップするはずだ。ここまでSalesforceと他システムとの連携はスムーズに進んでおり、データのやり取りにも問題は起こっていないという。単独利用だけでなく、他システムとの親和性も高いということが、同社の取り組みで証明された格好だ。
購買開発本部事業戦略部マネジャー代行、米泉武氏は連携について次のように語る。「連携には、インフォテリア社のEAIツールを使いました。もともとこのツールを使っていて習熟していたこともあり、スムーズに連携できました。Salesforceと他のシステムとの連携はこれからもどんどん進めていきます」
「もはやSalesforceはSFAというより、弊社の基幹システムといっていいでしょう」と、鈴木氏が寄せる期待も大きい。今後、同社がどうのように活用を広げていくのか、注目しておきたい。
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