NASAのサイトに不正侵入した罪に問われている男が、米国で裁判を受けるため、英国から身柄を送致されることになった。
セキュリティ企業のSophosによると、送致が決まったのは「NASAハッカー」として知られるロンドン出身のギャリー・マッキノン被告。米国政府のコンピュータに対する不正侵入と損壊の罪で、米国で裁判にかけられる。同被告は英内相による2006年の送致決定に対し、英高等法院に不服を申し立てていた。
マッキノン被告は米軍と米国防総省、NASAのコンピュータをハッキングしたとされ、これは当局が隠している抗重力推進システムと地球外の技術文明に関する秘密情報を暴露するのが目的だったと供述しているという。
同被告が送致を免れるために展開していた運動は、多数のコンピュータハッカーが支持。Sophosがオンラインで実施したアンケートでは、ITプロフェッショナルの52%がマッキノン被告の送致に反対を表明し、賛成の48%を上回ったという。
「米国政府はサイバー犯罪に対して厳しい姿勢を取っており、自国のコンピュータへの不正侵入を容認することはない。今回の件でハッキングコミュニティーに衝撃が広がるのは必至だが、これを機に、こうした行為について考え直した方がいい」とSophosは指摘している。
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